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「さらば 暴政」を読みました

11吉田春雄:2009/08/04(火) 06:50:37
『さらば暴政』を読みながら強く感じたことは、この本に秘められた巧妙な構成的意図である。それは『宇宙波動と超意識』の中に頻繁に出てくる、エッシャーの絵やだまし絵の効果が組込まれていて、うっかりしていると陰陽の一方だけが読み取れ、もう一方を見過ごすように工夫されている感じがする。これは古典になった本によくある仕掛けであり、奥義は見えているのに見えない仕掛けになっていて、初心者には著者がもっともらしく言う、病理の診断というレベルで理解してしまう。だが、ヒントとして語られている対象が持ち合わせないもの、すなわちリーダーシップというものに着眼すれば、この本は凄いリーダーシップ論として作られており、それが分からないレベルにいる人には、診断の次に治療法が知りたいという希望になって、答えとしての治療について知りたいと思う。そして、答えは自分で見つけるものだのに、本の中にそれが書いてないことを発見し、治療法を教えてくれないからと欲求不満を持ち、著者の狙うふるいにかけられてしまうのだ。そして、何年かして再び読み直したときになって、初めてそのトリックに気づくことになり、自分が成長したと驚くのではないかと思う。それはお経を読む体験で味わう知恵の一種だが、どうも藤原さんはこの本でお経を書いていて、エッシャーの騙し絵を文章で描いたという感じがした。そこまで読み取れなかったときに、プロジェクトラーニングさんが言うようなことになり、何年かの待ち時間が意味を持つのではないかと思う。


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