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最近読んで印象的だった本

219藤原肇:2015/12/11(金) 11:24:21
私の本は考えるために書いてあり、通読では表面の浅いレベルとして、メッセージが届くように工夫してあるから、解説は努めてしないようにしてきた。解説や判断は自分で行うものであり、その時に頭を使えば思考力がつき、脳の活性化が始まるから、分からないと分かることが、モンテーニュの言う「クセジュ」だし、ソクラテスの言う「無知の知」でもある。留学した経験で仕込まれたことは、自分の頭で考えろと言うことと共に、何でも疑ってかかる態度が、いかに重要かという点だった。本を読んでも本文に書いてあることよりも、註に問題解決のヒントが隠れていて、行間を読むことの一つに註への注目がある。
しかも、註を本文の中に分散させてしまい、ジグゾウパズルに仕立てることの楽しさは、本を書く者にとっての悦楽になっている。私は何かを発見することの喜びを求めて、読者としての謎解きに挑んだし、それは個人としての趣味の問題に属すので、読者としては謎解きが醍醐味だ。だから、著者としては誰かが謎解きを終わるまでの間は、謎は謎のままにして置くのが礼儀で、秘密は明かさないのが古代から続く、人間の知恵ではないかと思っている。
自分の頭で考えるのが好きな人には、余計な解説はない方が親切で、なぜと疑問を持つことを中心にしたために、拙著は売れない書籍の筆頭だったから、編集者たちからはいつもお小言を貰っていた。「テーマはぴったりで面白いから、分かりやすく説明を加えてもらえれば、何倍もこの本は売れるのですが、それをお願い出来ないでしょうか」とは、本が出る前に良く言われたことだが、それをやったら読者に失礼だと思い、せいぜい協力したのは註をつけることで、註にヒントを潜ますことが楽しみだった。
当時は田中首相と中曽根通産相の二人が、エネルギー問題の責任者だったので、この二人の責任について追及しているうちに、金脈事件で田中角栄が辞職する事態になり、そのトバッチリがカナダまで来た。本がベストセラーになって読まれた影響で、ロンドンやニューヨークから連絡が届き、出張で来ているが会えるなら、帰りにカナダに立ち寄るという電話が、日本の新聞記者たちから良く掛った。
その中の一人に朝日の青木記者がいて、「田中が怒っているから、日本には帰るな」というので、「なぜだ」と質問をしたら「立花隆に書かせたのは藤原で、立花は藤原さんの二年後輩であり、上野高校の出身だと恨んでいる」という。私が特派員クラブで得た情報では、立花は福田派から流れた情報で、田中金脈についての記事を書き、それを特派員協会での記者会見の時に、『L・A・タイムス』の支局長が口火を切った。しかも、支局長は中曽根のホモダチで知られ、私も一度食事をしたことがあるが、東京を根城にした悪徳記者であり、支局長を首になっても東京を離れず、中曽根の平和研究所に拾われて、胡散臭い仕事を続けている男だった。
アメリカ人の情報関係は数が多いが、質的にはヨーロッパ系の人物に較べて、はるかに劣るのは一目瞭然だし、米国で活躍しているヨーロッパ人は、ヨーロッパだと二流に属す頭脳の持ち主で、その代表がキッシンジャーやブレジンスキーだった。こういう質の悪いヨーロッパ系が、ワシントンの政治を巧妙に動かしており、それが親イスラエルや反ソとして、米国の世界政策を引きずりまわしているのに、日本人は脇が甘く盲目状態だった。彼らが日本の政治家がいかに愚劣で、日本が「ひ弱な花」であるかについて、侮蔑的にみているかについては、彼らの著書を読めば一目瞭然である。
別の機会に書く時があるだろうが、彼らもサイマルから著書を出しているし、私も処女作を始め三冊ほど出し、「サイマル仲間」に連なっていた関係もあって、本意に属すその種の情報を組み立てれば、ジグゾウ・パズルを組み立てる楽しみを味わえた。


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