[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
メール
| |
【分館】 参考資料スレ
12
:
吉本隆明 「詩とはなにか」 思潮社 [詩の森文庫C09]
:2009/11/09(月) 22:23:48
中村光夫は『小説入門』(新潮文庫)のなかでつぎのようにかいている。
詩の場合は作者の思想や感情は言葉によって直接に表現されます。
詩の本質は歌であり歌であるとはよくいわれることであり・・・
歌は言葉であるとともに、言葉以前の肉声―または叫び声―です。
僕らの感動のもっとも直接的な表現です。
詩はこの肉声に言葉をできるだけ近づける性格を持ち、
そのために言語を、そのために言語をその日常性社会からできるだけ解放すること
を目指します。
(*以下は吉本)
・・・詩の本質が歌であり、
歌は言葉以前の肉声―または叫び声であるという箇処に着目したい。
ほんとのことを口に出せば世界は凍ってしまうならば、それができない社会では、
絶えず、ワァッとかウオウとかいう叫びをこころに禁圧しているとも考えられるからである。
日常の会話でも対者から言葉をおさえられたとき、意識は
言葉にならない叫びのようなものを呑みこむ。
・・・ヴァレリーが
「詩は、節調ある言語によって、叫び、涙、愛撫、接吻、嘆息などが暗々裡に表現しようとし
また物体が その外見上の生命あるいは仮想された意志 によって
表現したいと思っているらしい、それらのもの、或いはそのものを
表現し、再現しようとするの試みである」(「文学論」堀口大学訳)
とのべているのは、中村光夫とほぼひとしい地点にたっている。
言語のまえに、有節音があり、
そのまえには、ワァツとかウオウとかいう叫びがあったとすれば
そしていまもなお叫び声が人間と現実との関係に介在するとすれば、
詩をこれに結びつけるのは、ひとつの見解たるを失わないのである。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板