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「ヨーギニー寺院 〜インド・シンボリズムへの旅〜」

6近藤 貴夫:2017/05/28(日) 20:22:29
第1章 ブヴァネシュヴァル 第2節 スールヤ寺院の盛衰
https://kondoes.wixsite.com/yogini/chap1sec2

この書籍は第一に研究書だが、一直線に何かを論証しようという構成を
取っていない。

特定の街へ調査旅行に出かける紀行文と、そこで体験したことが述べられ、
それを元に少し考察が進む。そして、次の節ではまた別の調査ポイントへの
紀行文から始まる、というように、曲線的に進む。

この節も、まずはオリッサ州のブバネシュヴァルに向かう車中の描写から始まる。

そして、スールヤ(スーリヤ)寺院を訪ねた話に進み、その没落の原因の考察がある。

さらにそこから、寺院外壁の彫像群、アプサラスやミトゥナ像に話の焦点を移し、
タントリズムのヒンドゥー教史上での位置づけといった方向へ、論を進める。

こうした著者の話の進行は自然であるが、「何かを論証するための論理的必然」と
いったものには従っていない。

特に、この節と、直前の第1節の「ヨーギニーについての話の枠組み」とには、
一見何の関係もないように見える。

こうした著者の話の進め方にいら立たないためには、読者も著者と同じ幅のテーマに
関心を持って、調査旅行の際の著者と同じ視点で関心を移しながら、しかも前までの
話の印象を忘れずに、楽しんで保ち続ける態度を要求される。
「インドの地理も宗教も全然知りませんよ」という読者は、話の飛躍について行けない。
知っていたとしても、異質な関心が交互に顔を出す記述に振り回されて、筋を追うのに
疲れるかもしれない。
けれども、このような構成で書かれるのは、著者の関心からすれば必然なのであって、
この構成にする以外では、書きたいことが盛り込めなかったのだろうということが、
読了すれば分かると思う。


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