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ウサギってかわいいよね
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万葉集2ー3
:2006/07/13(木) 22:24:16
第3章 「応神記歌謡」語釈
ここで、第2章の最後に出てきた「応神記歌謡(千葉の葛野を…)」の本文解釈をしておこう。
ここでとりあげた歌謡は、応神天皇が近江国に出かける途中で、一人の乙女(矢河枝比売やがわえひめ)に出会い、彼女を妃として迎える、という物語の発端の部分に組み込まれている。
(本文は『古代和歌 万葉集入門』120ページ参照)
【語釈】
○近つ淡海の国(ちかつあふみのくに)―近江国。現在の滋賀県に相当する。「淡海」は淡水の海の意味で、琵琶湖をさす。
○宇遅野(うぢの)―「宇遅」は現在の京都府宇治市のあたり。(地図はここ。)上代で「野」というと、単に平坦な地ばかりではなく、なだらかな丘陵地も含んでいたらしい。『万葉集』巻3・372歌の題詞には「春日野に登る」という表現がみえている。『古事記』の当該部分でも、「宇遅野の上に御立たしまして…望け」と言っているのは、見晴らしのいい丘陵地の上から周辺を眺めたことを言ったものだろう。そのあたりに、国見儀礼にかよう状況をみてとることができる。それだからこそ、国見歌謡の発想に基づく、当該歌謡が、効果的なものとして、『古事記』のこの部分に挿入されているのだろう。
○葛野(かづの)―現在の京都府宇治市宇治山本から長岡京市あたり。
○千葉の―千葉は多くの葉の意味。たくさん葉が生い茂っている、として、地名「葛野」の「葛」(=つる草)に掛かっている。枕詞ということになるが、地名「葛野」を、青々とした葉が生い茂ったつる草と結びつけることで、葛野が生命力に富んだ優れた土地であることも暗示させ、讃美の表現になっている。
○百千足る(ももちだる)―百も千もいずれも程度の甚だしいことを言っている。たくさんに満ち足りた、の意味。
○家庭(やには)も見ゆ―家々が見える。
○国のほ―「ほ」は、一番目立つところ、秀でたところ、の意味。たとえば、稲の穂、炎(ほのほ)などの「ほ」などに見られる。「国のほ」と言った場合、国土の中でも特に優れたところ、というような意味か。
【大意】(千葉の)葛野を眺めると、充分に満ち足りた家々や、優れた土地が見えることだ。
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