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ウサギってかわいいよね

28万葉集2ー1:2006/07/13(木) 21:34:35
第1章 「舒明天皇国見歌」語釈

万葉の作品の中でも、もっとも古い時期のものの1つと考えられる「舒明天皇国見歌」を取り上げ、その性格を考えてみる。
まず、「舒明天皇国見歌」(2)の、本文解釈をしておこう。

 

(本文は『古代和歌 万葉集入門』120ページ参照)

 

【語釈】
○高市岡本宮(たけちおかもとのみや)―舒明天皇の皇居。現在の奈良県高市(たかいち)郡明日香村岡寺付近か。
○息長足日広額(おきながたらしひひろぬか)―舒明天皇の国風諡号。舒明天皇は、第34代の天皇。593-641(在位629-641)。
○香具山―畝傍(うねび)山・耳成(みみなし)山とともに大和三山の一つ。天香久山。(地図はここ。)
○望国―題詞原文のこの語を、現在のほとんどの注釈書・テキストは、「くにみ(したまふ)」と読んでいる。和歌本文に「国見をすれば」とあるのによっている。「国を見る」ではなく、「国見をする」という言い方に、ただ単に山の上からあたりの景色を眺めるというだけではなく、特定の目的や意味をもった行い(儀式・儀礼)として、この歌が詠まれた場が存在していたことを窺わせる。今回の授業は、この上代独特の「国見」儀礼の意味と、その中における「舒明天皇国見歌」の意義について考えてみることが、話題の中心になる。
○大和には―「大和」には、1)現在の奈良県の旧名、2)日本の別名の二つの意味があるが、この場合、前者か。
○群山あれど―多くの山々があるけれど。「むらやま」の「むら」は「むらがる」などと同根のことば。
○とりよろふ―語義未詳。文脈からすれば、「(多くの山々があるけれど)中でも特別(神聖)な」といった意味で、香具山を讃美するかと思われる。
○天の香具山―山名「香具山」に「天(あめ)の」をかぶせるのは、香具山が神聖な山であることを強調する修辞。また、香具山は天上からこの世に降ったものとする伝承が『伊予国風土記』(逸文)に見え、『万葉集』には、「天降(あも)り着く天の香具山」という表現も見える(巻三・257)。
○国原(くにはら)は―大地には。
○煙(けぶり)―人家から立ち昇る炊煙のこととする説や、大地の霊力そのものの姿とする説などがある。
○立ち立つ―盛んに立ち昇る。同じ動詞を連続させるのは、その動作が盛んに繰り返されることを表わす。
○海原―香具山からは実際には海が見えない。実景と考える立場からは、当時明日香のそこここに存在した溜池のことか、とする説が唱えられたりしている。
○かまめ―カモメのこと。
○うまし国―シク活用形容詞「うまし」には、「素晴らしい」「立派だ」の意味があった。
○あきづ島―日本(大和)の別名。ここでは「大和の国」の枕詞のようなはたらきをしている。
○大和の国は―この最後の「大和の国」は、「国原」「海原」を包括する大きな地域としての「大和」なので、日本の別名として使われているのだろう。

【大意】大和の国には多くの山々があるけれど、中でもとりわけて神聖な天の香具山。そこに登って国見をすると、大地からは煙がさかんに立ち昇り、大海原にはカモメがさかんに飛び立つのが見える。素晴らしい国だ。この秋津島である大和の国は。


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