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哲学・宗教質問箱

90Sekko:2006/10/10(火) 06:38:38
公務員の責任
 前回書いたロベール・ルデケールの話(組合の支援を得られないことについて)をフランス人にしましたら、公務員の発言は中庸で穏健であるべきだという教育大臣の言葉にあるように、公務員だからそういうことを書くべきではなかった、と猛烈に反論されました。国家公務員はある意味でフランスを代表する立場にあるのですから、外国にいる同国人(この場合はイスラム国にいるフランス人)を危険に陥れるような言動は許されなかった、と言うのです。確かに日本でも教員や裁判官はプライヴェートでも風俗に行ったり賭け事をしてはいけない、とかあったのを思い出しますが、それは品位の問題で、危機管理とは違いますね。イスラム原理主義がらみで殺された方は国立大学の先生でした。彼の場合は自分だけの被害でしたが。ルデケールの書いたものは確かにいたずらに原理主義者を刺激する口調でしたが、それが彼の信ずるところだったとしたら、署名記事だったのですから、書く権利はあったと思うし、新聞社が載せたということ自体の責任も大きいと思います。
 B16もそうですが、つくづく、テキストとコンテキストということを考えさせられます。文と文脈。文も発言も、どういう時期にどういう場で誰に向かって発させられたのかを抜きにしては存在しません。その意味ではコーランの内容がどうとか言うのも同じで、福音書の中の平和主義者のイエスの言葉だって、文脈を無視して取り出したら、その辺のカルト宗教と変わらないものもありますから。B16がコンテキストを曖昧にしたまま歴史文献を引用したのは不用意であり、その発言をまた、コンテキストを抜きに取上げてプロパガンダに使う原理主義者は卑怯であり、その緊張状態の最中に、危機状況を読まず火に油を注ぐような発言をフランス公務員が書いて、それを載せた新聞も挑発と取られても仕方ないのかもしれません。
 先週の月曜、ヴァチカンはヴァティカンにいるイスラム国の外相を全て招いて、対話路線の続行を強調しました。こういう対応を見ると、B16がただの「宗教の長」や「公務員」でなくて独立国の元首であることの強みを感じます。彼がぽかをしても百戦錬磨のスタッフがついてるし、テロに萎縮したり居直ったりしないで、逆に話し合いのきっかけにもって行くのはいい対応でした。B16のトルコ訪問も含めてこれからどう展開するか注目です。
 トルコと言えば今日シラクがアルメニアで、アルメニア人のホロコーストを認めないとトルコのEU参加は不可能みたいなニュアンスでしゃべって、アルメニア人を喜ばせていました。ジャック・シラクでJ・C、イエス・キリストと同じイニシャルなので、その気になってすっかり博愛主義になったと揶揄されていました。


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