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哲学・宗教質問箱
742
:
sekko
:2016/03/05(土) 07:55:42
アップルさま
そうですか。
ブラジルではカルデックの本が3千万部も売れているらしいですね。
フランスでは、確かにペール・ラシェーズのお墓はいつも花がいっぱいですごいなあと思いますが、まあオカルトの位置づけですね。
カルデックも、もとは子供たちを迷信から啓蒙しようという合理主義の教育者でしたから、アメリカ由来の「霊との交信」に本格的にはまってからも、霊名(?)を使い分けて、スピリティスムも「科学」の言葉で語ろうとしていました。
だから、一応、宗教とは違う、というスタンスで、無神論のイデオロギー陣営ともキリスト教陣営とも直接衝突しないで、文化人を含むかなりの人の「オカルト趣味」として一時はかなり浸透していたようです。
今はオカルトのon of them という感じでしょうか。
ブラジルのようにカトリック、先住民インディオの土着宗教、17世紀から奴隷として連れて来られたアフリカ人の土着宗教の三つの心性が混然としている所だからこそスピリティスムがその三つをつなぐけれど既成宗教とは直接バッティングしない形で自然にシンクレティズムを形成したのでしょうね。
スピリティスムが新宗教の形をとるとベトナムのカオダイ教のような分かりやすいシンクレティズムとなります。宗教でなく「科学だ」とか「実在する超常現象だ」という形で信奉者を獲得するビジネスになる場合もありますね。
日本では土着のシャーマニズムの伝統や先祖との交流みたいなものが心性として残っているので、カタカナのスピリチュアリスムはそれらとフュージョンすることはなく、カタカナのオカルト、カタカナのスピリチュアリスムとして別枠で存在するのかもしれません。
カルデックはブルターニュの名で、前世がドルイッド教であるとしてキリスト教以前のガリアの土着宗教と結びつけることで正統性みたいなものを担保しているわけですが、そしてお墓もドルメン型ですが、ブラジルではそんなことどうでもいいような気がします。
でも、亡くなった人との魂の交流そのものは古今東西よくある話で、別にわざわざ科学だと言わなくとも、そして詐欺や騙りもあるでしょうが、「宗教」とか「霊性」とかとは別枠で考えればいいのでは、思います。
今、あるジャーナリストが、父親の棺に4つのものを入れて埋葬し、有名な霊媒4人に父親にコンタクトしてそれが何か伝えてもらうというテストをレポートした本を読んでいます。おもしろいですよ。
結局は、病気や治療や治癒と同じで、現象は似ていても、その原因も経過もケース・バイ・ケースとしか言いようがなく、教義や教祖をたてるのは罠か誘惑か誤りか矮小化なのでしょうかね…
http://setukotakeshita.com/
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