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哲学・宗教質問箱

649Sekko:2013/04/07(日) 23:37:30
愚者さま
このご質問は、私がブログ記事http://spinou.exblog.jp/19734282/で、アメリカに対するフランスと日本の対応を比較したことをお読みになってのことでしょうか。

そのブログにも書きましたように、10年前のイラク派兵の時の日本政府の支持の基準がひたすら「英米の便宜を図る」ことであったことを知り、あらためて、あの頃の日本での反対運動はいったいなんだったのだろうかと愕然としました。

原発再稼働反対や、TPP反対にしても全く同じです。

いくら、現実を突きつけても、信頼できるデータや予測を並べて、正論を語り、道理を説き、真の利益を訴えても、政府の方針は国民の声の総意ではなく、「連合国」の声の総意で決まるという現実があるようです。

そして、今や、その「連合国の声」も、実は一部の多国籍大企業のパトロンたちの利益によって決まっているという現実があります。

それにもともと、日本には、国民の意思が国家の意思に変換されるという伝統はありません。

「仁者による徳政」に期待するような伝統がありましたから。

東浩紀さんなどが、国民の声を政府の独断への有効な抑止力とするために情報ツールを駆使して集合知を可視化するというタイプの提言をされているのを読んだことがあります。
でも、いくら集合知が可視化しても、日本の「戦後」は、「政策決定はアメリカの意向に沿う」という合意から出発しているようなので、それを変えない限りは、だれがどんなに正論を唱えても多分「多数で説得」とか「理屈で説得」ということにはならないと思います。

では、どうしたらいいか。

ひとつは、そうやって押しつけられてきた憲法だの政策だのを日本の国益にかなうように巧妙にすり替えて利用する。
今の世の中で国際的な合意である普遍主義や平和主義や環境保全主義などの流れをうまく使ってロビー活動をする。FTAも対EUとか中韓とのものを平行して進めて、アメリカを牽制する。

もう一つは、拝金主義の資本家たちではなくアメリカの一般国民に的を絞って、啓蒙活動をすることが考えられます。アメリカ人は子供の頃から「アメリカ一番」を刷り込まれているのでものの見方が単純ですが、いざ「知らなかった過ち」を突きつけられると本気でショックを受けて懺悔したりします。

私は第二次大戦時の日系人の収容所のことを初めて知ったアメリカ人に面と向かって涙を浮かべて詫びを入れられたこともあります。

アメリカ人は平均的に、ひとりひとりは日本人やヨーロッパ人ほど偽善的でなく、正義感の強いいい人たちだと思います。
だから、ステファン・エッセルの呼びかけにもすぐ反応してオキュパイ・ウォールストリートの運動を始めるし、TPPにですら、http://democracynow.jp/video/20120614-2
で日本人にも明らかにされたように、

「これは貿易協定ではない、企業による世界支配の道具です」「1%の富裕層が私たちの生存権を破壊する道具です」

と糾弾の声を上げたりしているわけです。

従軍慰安婦の話でも多分そうだったのでしょうが、「犠牲者」側がうまく働きかけて利用すればアメリカ人は義憤に駆られてすぐ話がまとまり、それが政府の方にまで届きます。つまり、アメリカは、一応、国民の声が上に達するとそれを反映しないではおけない基本線はあるわけです。

だから、日本人も、アジア政策におけるアメリカの傲慢さを今の情報ツールを使ってうまくアメリカの一般市民に伝えることができたら、「そりゃひどい」ということになるかもしれません。

戦勝国と敗戦国の関係で政府の側にはもうどうしようもない負の前提があるようですから、もうそちらには期待しないで、アメリカ一般市民の「草の根義憤」につながるような正論啓蒙活動を戦略的にやっていく方が流れを変える可能性があるような気がします。

「日本がアメリカに蹂躙されている」というのではなく、あくまでも、日本もアメリカ一般国民も、企業による世界支配の犠牲になっているのだというスタンスで。

国民番号法案も完全にマーケティングのベースデータのような気がしますね。

アメリカ人のピューリタン的メンタリティを刺激すれば、できることもあるような気がするんですけれどね。日本の政治家を変えることよりはまだ可能性があると思います。

最近、北朝鮮の好戦的な挑発なんかについては、ローマ法王に手紙を書いてもらえばどうかとも思いました。

キューバ危機の時に、当時の教皇ヨハネ23世がソ連のフルシチョフに平和を訴える手紙を書き、なんと、共産党機関紙の『プラウダ』に掲載されました。

当時のケネディ大統領がアイルランド系カトリックだったので思いついたのかもしれません。

北朝鮮は表向きは信教の自由があるのでカトリック教会も一応はあり、韓国からのキリスト教NPOもたくさん入っています。金日成の家族にも確かカトリックがいました。

何かそういう超国家的、あるいは、超ビジネス的なネットワークを利用して、小さな危機、ひいては大きな危機を回避できるのではないかと期待します。

3.11の後で、それまで原発のことを問題にしていなかった多くの人が自主的に情報を集めて啓蒙し合い、原発廃止のコンセンサスができた(けれど国家の政策や企業の方針にはもちろん反映しないわけですが)ように、弱者連帯の潜在的な力は普遍的にあると思うのでそれをどうつなげていくかということですよね。

私もずっと考えていきます。

http://setukotakeshita.com/


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