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哲学・宗教質問箱

463Sekko:2010/04/17(土) 20:18:34
セニョーラさま
 衛星放送で、福音派のミサの度の悪魔祓いのシーンを延々と流している番組を見て驚いたことがあります。按手されるだけで、叫ぶ人もいるけれど、とにかくみなが、意識を失って(と私には見える)後ろにまっすぐ倒れるので、背中を支える人が必ずついていました。で、みんな一列に並んで、はい、次、はい、次、という感じでバタバタ倒れるので、なんだか師匠に受け身の稽古をつけられてるみたいな感じでした。

 キリスト教だけでなく、シャーマンの修行にも似たようなのはあるし、ヤマOシとかでも、他の宗教のイニシエーションでも、とにかく、いわゆる「変性意識状態」、トランス状態を作り出すノウハウやプロセスはいろいろあります。ある種の代替医療もそうですし、心身症には自己暗示が効くかもしれません。

 いいか悪いかは一概に言えないと思います。宗教ではそういうのと、浄不浄とか罪の意識とかを合わせられることが多いので、マインドコントロールにつながりやすく、リスクは大きいと思います。特に、子供や若い人は、近付かない方がいいと私は思いますが、ケースバイケースでしょう。カトリックの洗礼式でも悪魔祓いが込みですが、ドラマティックなことはおこらず、普通のお祈りといった感じです。カトリックの今のエクソシストは精神科医や心理学者とも連携してますし、演出によってショック療法をするというのはもうないでしょう。ただし、ブラジルなんかでは、福音派の派手なパフォーマンスで信者を失いはじめたカトリック側が、同じようにいろんな面で派手な演出をして人心を取り戻すという動きもあります。

 まあ、シエナのカタリナとか、やはり聖体を口にするだけで毎回失神していた聖女もいるので、どんな状況でも「入れ込んでしまう人」とか体質はあるんでしょう。それは必ずしも「聖女の条件」じゃないですけれどね。

 大人が、他に弱みを付け込まれて洗脳されるという状況ではなく、自分の意思で何か(セラピーとか儀式の参加)を選択するのは自由だと思います。でも、それによって家計が圧迫されたり、社会生活や家族関係に支障をきたすようなのは要注意だと思います。

 ブラジルのように、一定の文化やメンタリティのもとに、経済や政治の問題が加わって、多くの人が極端に流れるというのは、また別の大きな問題があって単純ではありません。悪を特定のだれかに託して、スケープゴートのように葬ったり、軍事攻撃をしかける、などというよりはまだ、抽象的な「悪魔」とか「敵」とかに託して「祓う」方が、害は少ないと思います。

 でも、とにかく、今現在、生き難さを感じている人に「それ、おかしいだろ、目を覚ませ」とかいうのは、それこそ代替案なしには無責任なことで、とりあえず「悪魔祓い」の必要を感じないで生きていける余裕のある人間が、彼らの状況の改善に向かってささやかでも連帯することしかないんじゃないかと私は考えます。

 そういうことを視野に入れながら、親友の方の生活上の困難に力を貸してあげ続けていれば、ほんとうの信頼関係は、少しずつ築かれると思います。悪を祓うより、善意の輪を育てる方が、最終的には、きっと強いですよ。

 セニョーラさんのような方たちが、日系ブラジル人のコミュニティと連帯して問題解決のための何かをやっていくようなNPOも、ひょっとしてもうあるかもしれませんね。


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