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哲学・宗教質問箱

46Sekko:2006/03/19(日) 01:35:33
ジャミソンの本
 私の買ったジャミソンの本はMasakoさんの書かれた自殺の本とは違う自伝のようです。一番よく読まれているという話だったので選びました。まだ全部読んでませんが最初はかなり違和感がありました。この本がこんなに人気を博したのは、「こんな病気を抱えている人でも社会的に立派に成功し幸せになれるんだ」と励みに思う人か、「こんなに立派な偉い人でも、実はこんなに苦労しているんだなあ」と自分を慰める人かどっちかに受けたような気がしたのです。躁の初期に一種の啓示を受けることへの著者の自覚にも、不思議に共感できませんでした。それに、躁で舞い上がって、浪費したら、頼もしい立派なお兄さんが飛んできて借金を清算してくれるんですよ。いや、別に、彼女が躁の落とし前をつけないことに嫉妬しているのではなくて、結局、彼女が金のあるWASPで、若くて頭がよくて、金髪碧眼の美女であることがすべてを変えるなあと思ったのです。
 どんなに躁鬱が実存的に苦しくても、金や権力やコネや若さがあれば、かまってもらえる。(アル中から復帰して大統領にもなれる。)しかし、年寄りや障害者や貧乏人の欝とか、女子供や凡人の躁は、無視されたり制裁されるだけ。結局、普通の世界の差別構造が、より先鋭化するのが「病気」というフィールドなんだなあという思いです。


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