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哲学・宗教質問箱

457Sekko:2010/04/11(日) 01:18:46
子沢山の問題
 子沢山の問題は、昔はともかく今は、貧困の問題が大きいでしょう。医療が発達して、平和で、生存チャンスの大きい国では、普通子供の数は減りますよ。そういう国ではむしろ有産階級が既得権を継承させるために子沢山のような。アフリカの一部なんかでは、今も、少女が12歳くらいから毎年のように子供を生み続け、その多くは破傷風やマラリアのために育たず、母親は30歳くらいで消耗して死んでしまうというケースはあります。エイズの蔓延ももちろん。

 そういう国を救うのは女子に教育と保護と現金収入を得る労働を与えることです。これで出生率は下がります。

 アフリカで活動していたカトリックのシスターは避妊具を配布していました。エイズの予防のために、バチカンが避妊具禁止を目立って唱えないという具体的な合意も前教皇との間にできていて、その後ではノーコメントが続きました。それなのに、B16は、「避妊具は解決法ではない」とコメントしたことに尾ひれをつけられて大騒ぎになっています。避妊具禁止といったわけではなかったのですが。脇が甘いのは確かです。彼がなぜメディア受けしないのかというのを分析した本も出てるほどです。

 フランスの司教会議(フランスカトリックの最高決議機関)なんかではエイズ予防の避妊具OKでしたし、それも、しょせん多数決の決定。ヴァティカンの見解も多数決ですよ。直接ドグマに関わることじゃなければ当然政治的力関係で決まったりします。いわゆる一般信者と言えば、カトリックがデフォルトの村とかで、子供の作り方を教会にきく人なんてもちろんいませんよ。

 でも、ほしくなかった子供が生まれて育てざるを得ない状況の人とか、社会の犠牲になる子供たちとかがいる場所で、「新しい命」は無条件に尊い、と言いきってくれる宗教の首長がいるのはいいことだと個人的には思います。


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