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哲学・宗教質問箱

420迷える大羊:2009/11/23(月) 23:19:40
ベルメルシュ神父事件
 最近、手がけた事件は殺人だけで124件、帝銀事件、下山事件など昭和、特に戦後の混乱期の大事件に多く関わった、昭和の名刑事、平塚八兵衛氏(1913年〜1979年)の回想録(「刑事一代 平塚八兵衛の昭和事件史 佐々木嘉信著、産経新聞社編、新潮社)を読みました。
 一般的には昭和三十八年の村越吉展ちゃん(当時4歳)の誘拐殺人事件において、アリバイの矛盾を突破口に犯人を自供に追い込んだことで有名な方。
 そのプロフェッショナルとしての意識の高さ、すさまじい捜査、犯人検挙への執念に思わず唸らされてしまいました。推理小説に出てくるような「名刑事・名警部」という存在が本当にいるんだ、といった感じで。

 そんな彼が手がけた事件の一つにスチュワーデス事件がありました。これは、昭和34年(1959年)三月十日、東京・杉並区の善福寺川で、英国航空でスチュワーデスをしていてカトリック信徒であった武川知子さんが遺体で発見。司法解剖の結果、ベルギー出身の司祭ベルメルシュ氏が重要参考人として浮上するものの、任意の取り調べも進展しないうちに、同年6月、ベルメルシュ氏が急に帰国、事件は迷宮入りした、というもの。
 平塚氏の回想録を読む限り、容疑はかなり濃厚。血液型の検出を拒んだり、日本語ぺらぺらなのに何もしゃべらなかったり、何よりも急に帰国してしまったり、心証的には限りなくクロっぽい。当時のカトリック教会の対応(急に帰国させちゃった)にはかなり疑問を感じます、というか実際、世論は非難ごうごうだったらしいですが。
 松本清張氏などはこの事件を元に「黒い福音」という作品を書きあげたりしてます。

 この事件の回想を読んでいて興味深いのは、当時の日本人の「欧米人コンプレックス」ぶり。外人は苦手、ってことで捜査員が誰も容疑者の神父に近寄らない、平塚警部自身、「外人相手じゃ呼吸(取り調べの)が乱れてやりづらい」などとこぼしていること。先日、やはり同時代の日本が舞台になった松本清張氏の「ゼロの焦点」を読んだのですが、そこにもやはりそういった趣旨の描写があって、なんていうか考えさせられました。米軍占領が解けてまだ7、8年程度、経済レベル、生活水準も先進国レベルには程遠かったあの時代、欧米とか欧米人相手になるとどこか引いてしまう、屈折した対応が出てしまうところが、なんだかなぁ、と思ったものでした。あと、どうにも気になるのは、平塚氏の回想によれば、ベルメルシュ神父の名が捜査陣に出てきたきっかけというのが、救援物資の横流しの捜査の過程だった、ということ。まさか、教会や神父が??てな感じですが、前述の「黒い福音」ではそうやって布教資金を稼いだことになってます。もう、ダン・ブラウンどころの騒ぎではないですね。

 ところで、このスチュワーデス事件。現在のカトリック教会とか信徒はどう思ってる方が多いんでしょうね?私個人は潔白なら日本の取り調べに従うべきだろう、骨を埋める覚悟でやってきた日本で身の証しを立てるべし、殺人をやってしまったのなら、神ではなく人間なのだからこういうこともあったと裁きを受けるべき。あの当時のカトリック教会の対応って聖書の「カエサルのものはカエサルに、神のものは神に」にまったく反してるじゃないか?何より、素朴な感情として、日本人として不愉快、と思ってしまうのですが・・。


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