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哲学・宗教質問箱

402あがるま:2009/07/30(木) 14:45:08
超・異端
現代新書の『ジャンヌ・ダルク − 超異端の聖女』を通読しました。
彼女についてはミシュレや高山一彦の簡単な本しか読んだことはありませんでしたが、
「正統と異端のパラドックスの中をぐるぐる廻る私」と仰る通りとても面白く興味深く、また複雑なものですね。うまく概念的に分節されたものだと感心します。

J.ル・ゴッフの提唱するPara-Heregieと云ふ基礎概念の、異端heregieを「選択」と云ふほどの意味(34頁)と書かれて居るので、ラテン語のheresis(haeresis)はギリシア語の(di)hairesisをのまま使つたので、「(二つに)分離する」と云ふ意味で現代語で言ふ「セクト」のことだと思つて居たのですが、慥かに古典語の辞書には「選挙・選択」と云ふ意味が載つて居ました。

またギリシア語のparaは「傍らに」と云ふ意味で、「(河を)超へて」と云ふ意味のラテン語のtransとは明らかに違ふし、ル・ゴッフも両綴にギリシア語を使つて居るが、日本語ではpara-psychologyを超心理学と云ふ様に「trans超」と「para副次的」は(戯画的に)混同されることもある様です。(フランスの大学の科目たるprapsychologieは米国のとは別物なのでせう)
第一哲学たる存在論ontologieに対する 本質論ousiologieや神学theologieが副次para的なものの典型でせうか?
「柄(正統)と地(異端)」を超へた「地平(超・異端)」、の言外には超越範疇transcendentalia(ト・ヘン一者たる神)が透かし見えるやうです。より現実的な登場人物の傍らで、ジャンヌは已然として、お伽噺と云ふ印象です。
30.07.09


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