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哲学・宗教質問箱

388Sekko:2009/06/11(木) 01:06:54
野口志世 さま
 野口さま。

 私がエゾテリズムに興味を持ったのは、キリスト教や西洋近代の確立の中でその受容がどういう意味を持ったのかという点なんですよ。
 西洋キリスト教の発展の中では、キリスト教の源流のオリエント的なもの(バビロンとかエジプトとかパレスチナとか、ギリシャまで)が、なんとなく全部影に押し込められた時代が長かったですし。

 『レオナルド・ダ・ヴィンチ 伝説の虚実 』中央公論新社という本で、エゾテリズムの流れが、今もいかに影響を与えているかの例を書いています。良かったらお読みください。

 個人的には、いまや、すべての「秘密」なんたら、というのには警戒心の方が強いです。この世では、すべての真理が明らかにはならないし、秘められていることも多いし、秘められていてこそ機能するものも多いと思います。説明や証明もできないことを切り捨てていては世界は成り立たないし。
 ただ、「自分だけが」あるいは「自分たちだけが」、「秘められた真実」を知っているとか所有しているとかいう考え方は、閉鎖的、排他的、独善的になりやすいから、もうそれだけで、「真実」が捻じ曲げられてるような気がするんですよ。

 スクルス神父さまはそういうことと全く反対の方ですから、いい方に会われて良かったですね。力をいただいて、それを他の方の癒しにどうぞ役立ててください。神父様が序文をお書きになった『自由人イエス』は、この秋にドン・ボスコ社から発売予定です。いい本ですよ。是非どうぞ。


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