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哲学・宗教質問箱

357charis:2008/10/05(日) 08:41:28
進化論とキリスト教
Sekkoさんの10月2日のブログはとても勉強になりました。ダーウィンの進化論は、20世紀になってメイナード・スミスやドーキンスなどによる遺伝子レベルからの捉え返しによって、その意味がはっきりしてきました。「弱肉強食」ではないんですね。偶然の突然変異によって生じたごくわずかに形質が違う個体が(たとえば、ほんの数センチ首の長いキリン)、それまでの形質をもつ個体に比べて、一生の間に産む子供の数がほんのわずかだけ多いとします。たとえば首の長いキリンはライオンにすばやく気がつくから、首の短いキリンより産む子供の数が1%だけ多いと仮定しましょう。すると、たとえば数万年の間には、首の長いキリンだけになってしまう(これを数学的にキチンと計算するのが現代の進化論です)。摂理とか目的論とかを一切抜きにして、結果として、繁殖力がわずかに優位した形質をもつものが生き残って現在存在している。これが進化論のポイントです。

重要なことは、進化的に生き残ってきたものは、一定の環境のもとで繁殖力が大きかったという事実だけで、その個体が「生きやすかった」とか「幸福に生きられた」ということではまったくないということです。奇妙な形の動物がたくさんいるわけで、進化論は個体の生の幸福にはまったく無関心です。ここが我々人間の関心と異なるところで、我々は誰でも、自分が幸福に生きたいと願い、これがキリスト教だけでなく、人間の基本的な考え方です。

自然的存在としてのヒトには、たしかに進化論は妥当しますが、人間のあり方の社会的・文化側面に、進化論を当てはめるのは正しくありません。たとえば性欲は繁殖力に関わる自然的性質でしょうが、だからといってレイプが許されるわけでないのと同じです。

http://d.hatena.ne.jp/charis/


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