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哲学・宗教質問箱

2:2005/05/10(火) 06:37:22
(無題)
私は、フランス人に日本語を教えるときは基本的に標準語アクセントを使うよう努力しました。たとえば日本人がマルセイユのなまりで下手なフランス語を話していたら、違和感が大きいので、そういうことがないようにです。( もちろん完璧なマルセイユ語で話したら、そこで育ったんだと思えますが。)イントネーションだけに限ると、関西なまりはTVでもよく聞くし、アナウンサーになるのでなければそれほどハンディにならないのでは?
 フランス人の生徒には最初から丁寧語だけ教えました。「書く」「読む」とか、原型を覚えても、実際の生活では、原型ではおかしいし、生徒が若い人たちだから、日本に行っても目上の人と話すことの方が絶対多いと思ったので。丁寧な言い方を崩す方は、簡単だと思うので。ちなみに私はフランス語でGros motsと呼ばれる「悪い言葉」はもちろん、くだけた表現も一切使わないようにしてきました。そういうものは環境によって身についたなら別ですが、大人がわざわざ習って口にするものではないと思うので。それで、うちはそういう言葉をまったく使わなかったので、子供達まで、口に出来なくなり、友人関係でハンディになっていると文句を言われました。私は、うちと外で適当に使い分けているとばかり思っていたのですが。娘達のボーイフレンドから、彼女らがきれいな言葉しか使わないといい意味で指摘されたこともあります。
 リセの生徒には、たとえば、目上の人に絶対2人称を使わないように徹底的に訓練しました。たとえば、フランス語でも、たとえばデザートを食べた招待客に、「これ、おいしいですね。誰がつくったの?」と問われたら、母親の方をむいて、「C’est elle(彼女です)」と答えるのは失礼で、「C’est maman」というのが丁寧です。これを納得、確認させてから、日本語では母親に2人称も使えないことを説明しました。基本的な敬意の気持ちがあれば、いいのではないでしょうか。後、いわゆる接客用語とかはマニュアルを見て訓練するしかないのでは?
 私はフランスに暮らしてからの方が関西なまりがよく出ます。東京にずっといたら東京風がすぐうつりますが。でももともと、親代々が関西というのではなく、父は鹿児島出身でしたし、神戸生まれの母も、両親が関東大震災で焼け出されて神戸に出てきたので、祖父母は東京なまり、それで生活用語に関東イントネーションが伝えられました。私は、今でも覚えていますが、マッチとか、ガソリンとか、白菜とかいう単語を発音すると関西の友人に「変だ」と言われ続けたので、そういう言葉を口にするときは緊張していました。
 田辺聖子さんのような流ちょうな関西弁などもとよりしゃべれないので、今は、イントネーションでちょっとローカルを味わうくらいです。でも、関西で講演したりすると、自然に関西なまりになります。そして、何より、外国で長く暮らしていると、母国語のなまりなんか相対化され、全部なつかしい日本語という気になります。イントネーションは話し言葉におけるヴァリエーションであって、話す内容があり、コミュニケーションしたいという心があれば大きな障害にならないのでは。それにこの頃は、特に若い人は、そもそもイントネーションをあまりつけずにフラットに話すのが流行りみたいだし・・・ やっぱり、相手をリスペクトする心と、話す内容と、伝えたい意思の3つが重要では? それと、堂々と話すとそれがその場の標準語になるってケースも見ました。話者に個性とカリスマ性があればね。
 また、イントネーション云々以外にも、鈴を振るようなきれいな声の人とか、魅力的な表情で話す人とか、もともと条件のいい人も世の中にはいるし、羨ましいこともありますが、ないものはないし、与えられたものでやっていくという思い切りも必要なのでは? 逆に、世の中には、声をうばわれた人や、コミュニケーション障害の人もいます。美記さんのように美しい声で歌ったり曲を奏でたり出来る恵まれた人は、方言を消したいという後ろ向きな気持ちより、フランスでフランス語を習ったように、今は新しい場所で新しいコミュニケーションの可能性を広げていこうという楽しい気持ちで過ごしてください。そしたら、美記さんとお話をする人にもきっとその楽しさが伝わっていくのではないでしょうか?


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