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哲学・宗教質問箱
156
:
Sekko
:2007/05/28(月) 01:00:34
フランスの信者の種類、復活のことなど
フランスで私がとってるカトリック系総合週刊誌の今週の特集は信仰についてでした。面白い話が満載なので、少しずついろんなところで紹介していきます。ここでは、その中でフランス人信者の七つのグループという分類を紹介します。フランスはカトリック教会の長女といわれているくらい、カトリック的伝統は根強く、洗礼率で言えば軽く過半数がカトリックです。先だっての大統領候補12人のうち10人が洗礼を受けていてカテキズムも受けていました。でも、日常的には、日本人の仏教徒と同じで、家族の行事以外にあまり宗教色がありません。
そんなフランスのカトリック(または元カト)の7つのグループ。
その1 迷わない派 「信じる、そして疑わない」
?道程 信者でプラティカン(実際に毎日曜教会に行く人のこと)の家庭に生まれ、ごく若い頃にラディカルな神体験をした。信仰は人生の本質に関わる。教区の中心人物
?座右の作家 十字架のヨハネ、ベルナノス、パスカル
?我慢できないもの 過激な無神論者、おざなりな聖歌、日曜にサッカー観戦かミサかを選べると思っている輩、社交のために教会で結婚式を挙げる人
?感動すること 神のみ心の徴し、回心の体験談
?教会でいつ会える? 最低限、毎日曜日
その2 探求派 「信じる、でも疑う」
? 信仰の中で育ったが、組織と愛称が合わなかった。教会の見解のいくつかには賛成できない。無垢な純粋派の信者にはいらいらする。あの世の存在には懐疑的だ。しかし信者だと公言して教区民としてふるまったりエキュメニカルな活動(超宗派的活動)や、宗教交流に参加するのは抵抗がない。
? シルヴィ・ジェルマン、モーリス・ベレ、ティヤール・ド・シャルダン
? 教条主義者、懐疑によって信仰を拒否する人
? 霊的探求をする人の話、希望
? 毎日曜、または、行事の日、または必要を感じた時。
その3 失望派 「信じていたがもう信じない」
? 組織や、教会の言説にうんざりしたか、病気や近親の死などで傷つい他後で教会から離れた。哲学や精神分析学や科学と出会って、確信が揺らぎ、自分のすべての土台を検討している。
?ニーチェ、アンドレ・コント=スポンヴィル
?真実を独占する信者、信仰は理性を無視していいとする輩
?ピエタ像やカテドラルのラインの美しさ
?結婚式、葬儀、ヴァカンス先での観光
その4 見習い派 「信じていなかったが、今は信じる」
?無神論かアグノスティックか、子供に宗教教育をしない家庭で育つ。 ある、出会い、読書、審美的なショックや、試練などが神への欲求を目覚めさせた。または、超越なしの人間の虚栄に気づかせてくれた。
?クローデル、エティ・ヒレスム、ジャン=クロード・ギユボー
?信者への軽侮や、教会の後退
?親しい人たちの懐疑、受け入れてくれたコミュニティの信仰
?毎日曜または、行事のある日
その5 悶々派 「信じてないけれど、疑う」
?出身は関係ないが、自分の存在の意味について自問している。宗教にも哲学にも満足な答えを得られない。
?レジス・ドブレ、パオロ・コエリョ
?盲目的な信者、神秘家、教条主義者、実証主義者
?修道院の静謐さ、祈りの熱意
?葬儀、結婚式、偶然
その6 ボーン・アゲイン派 「再び信じ始める」
?クリスチャンの家庭で育ったが、教会から遠のくことや形而上的疑問によって信仰を失った。ある出会いや、根本体験により、教会に戻った。信仰の中の自由を見出した。今は、信仰は人生の中心的位置を占める。新たな生である。
?リジューの聖テレ−ズ、マクス・ガロ
?社会的慣習によるカトリック信者、戦闘的無神論者
?集団で熱くなること。信仰コミュニティへの帰属意識
?毎日曜か行事の日
その7 回心派 「宗教を変えた」
?よその大陸か、他の宗教文化の中で生まれたが、出会いや、住んだ社会の影響によって、キリスト教の神を知った。キリストの人間性と神の慈悲に心を打たれた。
?リュスティジエ、レイモン・パニカール、聖アウグスチヌス
?ぬるいキリスト教徒。近親者と離れるリスク
?キリストの姿。聖餐の秘蹟。
?毎日曜、教会内組織、祈りのグループ
以上です。日本ではカトリックはマイナーだから、成人が信者になろうかという時はいろいろな自問が渦巻くでしょうが、カトリックがなんとなく風景になっているフランスではこんなにグラデーションがあるわけです。実際、キリストの肉体の復活を字義通り信じるかというような根本的な教義についても、アンケートをとったら信じると答える人は年々少なくなっています。その乖離についてすごく悩んでいる人は実際問題としてすくないです。日本で、南無阿弥陀仏と唱えて、本当に阿弥陀仏がいて極楽に連れて行ってくれると字義どおり信じるとか、お宮参りにいくが天照大神の話を字義どおり信じるとかいうような感じです。
もちろん、キリストの肉体の復活を少なくとも、使徒たちが信じなかったら、キリスト教は成立していなかったでしょう。でも、彼らが昔の無知の人だから肉体の復活などを信じたのだろうと思うのは間違いで、その頃だって、すごく信じられなかったんですよ。それでも、一応、そういう不思議なことが起こったというのでいろいろ書き残されて、それを基にして、キリストの十字架上の死と3日後の復活がなぜ人類すべての罪の購いとなり救済になるのかという神学が延々と築き上げられていくわけです。で、三位一体の話とか、父なる神に関するところは超越に属することで、実証的な頭ではもとより理解できないんですが、人間イエスの死やその肉体の復活っていうのは、まだ「こっちの世界の出来事」だから、いろいろ想像の余地があります。シンボリックな意味はもちろん山のように積めるでしょうが、事実関係はやはり気になるところです。
私は、不思議なことに「そんなことあり得ない」とか思ったことはありません。世の中には私の想像や理解を超えたことがいくらでもあるので、何でもあり得る、というのが基本です。この前も書きましたが、イエスの復活のことで不思議だったのは、例のトマスの話で、脇の傷に指を入れろとか何とかいう話で、トランスフィギュレーションのように光り輝く栄光の体、この世と存在のモードが違うような体で復活したのではなく、傷口が開いたままの体というところでした。ラザロが起きてきたように、イエスもほんとに「よっこらしょ」と目が覚めたのなら、そして遺体をつつんだ亜麻布を残したなら、どうやって墓石をどけたり服(死ぬ前に着てた服は兵士にとられて人々がくじで分け合ってますし血まみれだった)を調達したのか分かりません。生々しい傷があったということは、メル・ギブソンのパッションじゃないですが、足の棒で頭をがんがん殴られたり、鞭打たれたり、転んだり、手足の釘跡ももちろんだし、かなり悲惨だったはずなんですよ。そんな姿で、姿を現したら、みんなびっくりだと思うんですが、エマオに向かう途中で旅を共にしてイエスのことを話題にした二人の使徒なんか、いくら「目をさえぎられていた」といっても、とにかく気づかないんですよね。普通っぽければ気配とか、声とか、話の感じとかで分かりそうだし、まさか血まみれで裸ってことはないだろうし、不思議です。その他にも、自分だと証明するために積極的に手と脇を見せたみたいだから、顔はどうなんだ、顔や背格好はそんなに説得力のないものだったのか、殴られた痣や傷や瘤や窒息死の苦悶で変形してたのか、とか、すごく気になります。
まあ、普通の人が、最後の審判の時に体が復活する時は、栄光の肉体ってことで、死んだ時の病気とか傷とか状態に関わりないそうなのでほっと安心です。イエスはなんといっても死後から復活まで実質一日半しか経過してなかったんだから別なんでしょう。それに、そう、そのときの人ですら、むごたらしく刑死したはずのイエスがもしきれいな体で現れたりしたら、栄光の体だと言ってありがたがる代わりに、替え玉だと言って退ける率が高かったんですね。きっと。人は見たいものだけを見るのかもしれません。
もう復活の話自体は、実証レベルじゃなく教義レベルの話なんで、「科学的にあり得るから信じられる」とかいう話ではないです。誰かから「あなたは私を信じられますか?」と言われて、「信じる」と答えるのは、その人のこれまでの実績を調べてある程度リスクを減らすことはできたとしても結局一種の賭けですから、直感や期待感によって決めるしかない。永遠にこの人を愛しますか?と言われて、永遠かどうかなんて分からない、と理性的に答えるのは変でしょう。愛とか希望とか信頼とか信仰とかは、自分の限界(理性とか利害)を超えてひたすら相手に向かっていくんですから。
しかし人間の肉体を持ったイエスが人として死んで、人として生き返ったという話を、具体的なものとして考えさせるよすがは、前にも書きましたが、なんといってもトリノの聖骸布の存在ですね。こういうコアなオブジェが残っているのは好きです。まあこういうのを持ち出すと、オカルト的で信仰のつまずきになるという人も必ずいるんですが、「好奇心」には負けます。等身大ポスター、ご一見ください。あ、今発売の文藝春秋Specialという増刊号に「スピリチュアルとのつきあい方」という文を載せています。ご参考にどうぞ。
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