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alpha-archive-11 北 勲 斜光作品

8資料期管理請負人:2014/03/03(月) 23:00:38
巻頭言 6号/無限
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〔巻頭言〕 6号/無限 2001



宇宙の彼方はどうなっているのだろう。大きい数はどこまで大きいのだろう。幼少期利発
な大方はそんな疑問を抱かれたろう。長じては、点と点の間は無限というが(幾何)、ど
うなっているのだろう、そんな疑問を持たれたのではあるまいか。直感が教えるところに
よれば、無限とはどうやら、限りがないこと、どこまで行ってもまだ先があり、「通過で
きないこと」(アリストテレス)のようだ。この延長線にあるのが、「無限の科学」即ち
現代数学だという。「一は多である」。「部分は全体より大きい」。有限世界ではふざけた
とも思われるこれらのことが、無限では真なのだそうだ。一方、限りがないことから、無
限には「何でもある」ように見える。これがさらに、何でもできる、完全無欠、全知全能
と発展すれば、無限を「神」と見なしたくなる。無限に全体があるとして、それを丸ごと
捉える立場である。
 僕はうかつにも無限へ思いを致すのは、この歳になってようやくだ。かの「数学的無限」
とこの「神学的無限」とを結びつけ、無限へ案内してくれた書に出会った。 落合仁司の
 『<神>の照明』だ。数理神学とやらで、なにしろ「神」の存在を「数学」で証明でき
るという。非合理を合理で説明できるものか。驚いてこの書を繙くと早くも「神は無限で
ある」の一文に接する。あちらキリスト教圏では、無限である神がどうして有限の人であ
るイエス・キリストになれるのか、二千年もの間悩んできた。…立派だと思った。負けた
とも思った。西洋を見たとも思った。
「エントロピー宇宙」が有限であるからには、「無限」はそれより深いものであるらしい。
このことに気が付いてさらにショックを受けた。「エントロピー宇宙」をこの世の一番深
いものとして遇し、この三四十年過ごしてきたからだ。物は放っておけば次第に形が崩れ
る。秩序だったものが次第に無秩序になる。即ちエントロピーが増えていく。これは広く
宇宙の摂理だ。この中にあって独り生命は秩序を作る。抗しきれなくなるのが死だ。この
世の奥の奥に在るものは何なのだろう。「エントロピー宇宙」より深いものがあろうとは。
それを知らず生涯の大半を過ごしてきたとは。『この無限の空間の永遠の沈黙は、私に恐
怖をおこさせる』、敬虔なパスカルの言葉だ(『パンセ』二0六)。いずれにしろ無限への
われわれのお迎えも近づいてきた。

????我れ微塵夜半(みぢんよは)目覚むれば宇宙なる闇に退(ひ)かるるを抗ひてをり


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