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alpha-archive-11 北 勲 斜光作品

7資料期管理請負人:2014/03/03(月) 22:59:17
巻頭言 5号/万葉集
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〔巻頭言〕 5号/万葉集 2000



 私はいま『万葉集』に凝っている。万葉人は感動屋さんだ。例歌はいくらも挙がるが、
雑歌次いで相聞から引けば、
   山高み白木綿(しらゆふ)花に落ち激(たぎ)つ滝の河内は見れど飽かぬかも
                                   九〇九
   愛(うるわ)しとわが思(も)ふこころ速河(はやかわ)の塞(せ)きに塞くとも
               なほや崩(く)えなむ          六八七
万葉の感動は外国人にも通じる。「日本の古典文学には美しい日本語と人の感情を引き出
す内容をもつものが数えきれないほどある」とする米加大学連合日本研究センター所長の
ケネス・バトラーさんは、「学生の興味を引くためまず『万葉集』から始めた。この偉大
なる歌集の豊かな人間性と現実に即した感動を率直に表す歌は非常に学生の関心を引い
た。学生はその時まで殆ど西洋の文学しか知らなかったので、日本の古代にこのような優
れた歌集があったことに驚いた」

 松浦河(まつらかわ)にまつわる短歌は山上憶良のも交えて記載は三十首ほどにもなろ
うか。「筑紫」だって枕詞付きで出てくる。
   わがこころ 筑紫の山の もみち葉の 散り過ぎにきと   三三三三
   馬のつめ 筑紫の崎に 留まりいて            四三七二
   しらぬひ筑紫の綿は身につけていまだは着ねど暖かに見ゆ  三三六

 そこで考える。万葉人を宇宙と遭遇させてみないか。どんなに感激するだろう。地球を
初めて見た時にはたとえばその感動はこんな歌となって結実しないだろうか。
   鳴るかみの音のみ聞きし苔筵(こけむしろ)青き地球をけふ見つるかも
       神からかここだ清(さやけ)白き斑(ふ)の青き地球はここだ清し

 いや太陽系の誕生にも立ち会ってもらおう、
   可畏(かしこ)きや百代千代(ももよちよ)の雲隠れ太陽(ひ)の星星の
       また生(あ)れむとす
一転して十億年後の地球。それは熱くなる一方の太陽に焼かれいまや赤黒い灼熱の球。
海は干上がり、梅の花を挿頭(かぎ)した大宮人(おおみやびと)や白玉を潜(かづ)き
した海女はおろか、春の桜秋の雁、そして白たへの衣を干したあの天香具山の姿もとうに
ない。
   青き星過ぎて往にきとまぼろしの星見つつ吾袖を濡らしつ

こうやって遊んでいる余生というか第二の人生もある。


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