したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

alpha-archive-06

64資料管理請負人:2014/02/27(木) 04:56:34
詩散策2
.

              詩 散 策 2
                   2007年




ハンチング 1/14

        
三越にてハンチングを求める。イエーィツの詩「イニスフリーの湖島」の郷里に帰って来た,
「静かなる男」ジョンウエーンのかぶっている帽子をまねて。

HANDCRAFTED BY EXCUSIVRY BY HANNA HATS OF DONEGAL LTD.
DONEGAL TOWN IRELAND DRY CLEAN ONLY PURE NEW WOOL
MAID IN IRELAND

イエーィツの代表作「イニスフリーの湖島」の詩

I will arise and go now, and go to Innisfree,
And a small cabin build there, of clay and wattles made:
Nine bean-rows will I have there, a hive for the honey bee,
And live alone in the bee-loud glade.

And I shall have some peace there, for peace comes dropping slow,
Dropping from the veils of the morning to where the cricket sings;
There midnight's all a glimmer, and noon a purple glow,
And evening full of the linnet's wings.


I will arise and go now, for always night and day
I hear lake water lapping with low sounds by the shore;
While I stand on the roadway, or on the pavement grey,
I hear it in the deep heart's core.

今こそ腰を上げて故郷イニスフリーに帰りたい。
そこでは泥と小枝で作った小屋を建て。豆を植え、
ミツバチの巣箱を作り、蜂の羽音を聞きながら静かに暮らしたい。

そこでなら心が安らぐだろう。
夜明けがコオロギの鳴く我が家にゆっくりと平和を降り注ぎ、
夜更けには月が、そして昼間は深紅の太陽が輝き、
夕暮れには紅雀の羽ばたきが聞こえる。

さあ、今度こそ帰ろう。
岸辺に打ち寄せる波の音が夜も昼も耳を打つから、
都会の街路や灰色の舗道に佇む時も絶え間なく
あの波の音が私の心の奥底に響いて来るから。



テニスンの詩集 1/15

こんどはテニスンの詩を読んでみようと想っていたが、きょうは湯島図書館は休み。
映画「君に読む物語」に出てくる少年の父親は貧しい暮らしながら、息子にテニスンの詩
を読んであげたという回想のシーンがあった。あの階層でも詩に親しむという文化は日本
の労働者階級では考えられない事だ。それともあの父親は特殊な例であったのか?

アルフレッド・テニソン(Alfred Tennyson, 1809年8月6日 - 1892年10月6日)ヴィク
トリア朝時代のイギリス詩人。美しい措辞と韻律を持ち、日本でも愛読された。



現代詩集? 1/16

テニスンの詩集は湯島図書館にはなく取り寄せて貰うようにした。
そのかわり現代詩集?アメリカ・イギリスを借りる。その中には
エズラ・パウンド、ウイリアム・カーロス・ウイリアムズ、マリアン・ムーア等。

山内礼子さんよりメールアドレスの変更を連絡してきた。その折同人αを読みたいので送
るように依頼される。6,8,9号の3冊を送る。送料390円



TVの捏造について 1/16

関西テレビ制作の「発掘!あるある大辞典?」のなかの「納豆ダイエットできる」は歪曲
・捏造の番組だったといま盛んに話題になっている。しかし私に言わせると、ほとんどの
 そのての娯楽番組は「やらせ」で、根っから信じていない。信じていなくて楽しむのは
 いいが、「やらせ」と思ってもいない人達にとっては罪なことである。
 「田舎に泊まろう」などの場面でも、突然声を掛けるなどと言ったものではない。事前
 に打ち合わされ、役割を言い含められた人物が演技しているのが透けて見えている。そ
 れでもいい、娯楽番組はただ楽しければいいという見方もあるだろうが、それだけでは
 済まなくなり、教育基本法改正のフォーラムでの質問者の「やらせ」につながっていき、
 情報を操作する側の罠にはまるばかりだ。マスコミの情報の50%は疑ったほうがよろ
 しいようで、舌を出したペコちゃんの顔が見えてくるのである。

ウイリアム・カーロス・ウイリアムズ アメリカの詩人 1883-1963
の詩は何気ない日常の何気ない一瞬をとらえて詩にするので面白い。

ちょっとね

僕は
アイスボックス
にあった桃を
食べてしまった

で それは
きっとお前が
朝食のために
とっておいたんだろう

すまない
桃は甘く
すごくうまく
すごく冷たかったよ



鳩の街 1/28

今日の朝日新聞の「東京物語散歩」というコラムに、吉行淳之介の「原色の街」という小
説の案内が載っていた。私はこの物語はまだ読んだことはないが、たまたま最近目にした
中に田村泰次郎の「鳩の街草話」というのがあった。やはり二つの小説ともに舞台は墨田
区向島の「鳩の街」、昔の赤線地帯である。江戸時代から「向島百花園」の月見で知られ
ていた、文人の別宅のある粋なところだったようだ。

    テニスン詩集

‘Break,break,break’

On thy cold garay stones, O Sea!
And I would that my tongue could utter
The thouts that arise in me.

O well for the fisherman's boy,
That he shouts with his sister at play!
O wellfor the sailor lad,
That he sings in his boat on the bay!

And the stately ships go on
To their haven under the hill;
But O for the touch of a vanished hand,
And the sound of a voice that is still!


Break,break,break,
At the foot of thy crags,O Sea!
But the tender grace of a day that is dead
Will never come back to me.

砕け、砕けよ、砕け散れ
おまえの冷たい灰色の岩に、おお海よ!
願わくは、我が胸に起こりたる想いのかずかずを
口で言い表すことができるのなら。

漁夫(すなどり)の少年にとって何と幸せなことか、
遊びながら妹と大声をあげることができるなんて!
船乗りの若者にとって何と幸せなことか、
湾に浮かべた小舟で歌をうたうことができるなんて!

立派な船が進んでゆくよ、
小山の麓の港にむかって。
ああ、だが、今は亡き友の手に再び触れ、
今は黙(もだ)せる声の響きを耳にできるものなら!

砕け、砕け、砕け散れ、
おまえの岩山の足もとに、おお海よ!
だが、過ぎ去った日の、あの優しい恩寵は
二度とけっしてこの身に戻ることはないだろう。

親友アーサー・ハラムの急死の悲哀を詠った作。



江頭邦夫君の死2/15

死に対する哀しみや無常観よりも
私は彼の生きた人生に賛美を送ろう
苦しいことや悲しいことがあったにしろ
見事にここまで生き抜いて来たのだから

この宇宙は生命の無いことが普通なのだから
生命があることが希有なことであるから
存在する或いは存在したということが
奇跡のようなものだから

私達は江頭君と同じ時間に同じ空間に
生きてたことに喜びがあり
彼の一生が長い短いにかかわらず
見事に生命を全うしたことを祝福しよう



パスポート 2/21

海外旅行用パスポートの写真を近所で撮る。
戦後短編小説再発見3  「さまざまな恋愛」を購入。

シェリー
インド調小夜曲
   ?
夏の夜のやすらかなまどろみの
夢にあなたをみて目ざめたのです、
風がほのかにそよいでいます、
星が美しく輝いています、
夢にあなたをみて目さめたのです、
わたしの足に宿る精霊が
わたしを導いて−どうしてか誰が知りましょう
あなたの部屋の窓辺に来たのです、恋しい女よ!
   ?
さまよう風が消えてゆきます
暗く静かな流れのうえに−
黄木蓮の香りがうすれてゆきます
夢のなかのなつかしい想いのように、
夜鳴鶯の哀しい調べが
彼女の胸で悶え絶えます−
ちょうどわたしがあなたの胸に
ああ、あなたがいとしい故にこそ!
悶え絶えねばならないように。
   ?
おおわたしを芝生よりあげて下さい!
わたしは死ぬ!気が絶える!力が尽きる!
あなたの愛を口づけの雨として
わたしの唇とほの白い眼瞼に降らせてください。
ああ!わたしの頬は冷たくあおざめ
わたしの胸は激しく慟悸しているのです−
おお!この胸をあなたの胸にかたく抱いてください、
わたしの胸はそこでさんらんと砕け散るでありましょう。



小熊笹 2/28

■ 高山造園に小熊笹の植栽を依頼。紅葉3本の見積もり依頼。3月24日植え込み予定。
■ 河口湖ケーブルテレビ 引き落とし金額について問い合わせ
  2月6日引き落とし19,600円には年間の会費13,000が含まれているということ。
  デジタルの契約を解約したい。6,369→3,940になる。3月24日工事予定。
■ 奥田 林(おくだしげる)氏の通夜。帰りに新松戸駅の近くで樋口・飯田氏達3人で飲
  む。久しぶりに郊外の景色を見た。寒い夜のプラットホーム。暗闇のなかに点在する
  家々の灯り。若いころ通った田園風景、なにか満たされないような家庭の温もりから
  遠ざけられたような独り身の寂しさを思い出した。

立原道造 1914-1939


街道の外れで
僕の村と
隣の村と
世間話をしている
《もうじき鶏が鳴くでせう
《これからねむい季節です

その上に
昼の月が煙を吐いている



同人α第11号投稿詩 3/8

投稿詩 「 選択」

■ ポール・セザンヌの透明な空気
  パウル・クレーの静かな時間
  エリック・サティのけだるさ
  ラフマニロフのボカリーズの永遠の宇宙
  私は絵の世界にのめり込む
  私は音楽の世界にのめり込む
  そして私は趣味と道楽の狭間で立ちすくむ

■ 人の為巧まず地道に働くか
  己の望むまま派手やかな世界に生きるか
  私は辛い仕事に打ち込む
  私は華やかな脚光を浴びる
  そして私は晴と褻の狭間で立ちすくむ

■ 摩天楼の理想に酔いしれるか
  地上の果実を拾い味わうか
  私ははるかに遠くの星に棲むか
  私は今の収穫を確かめるか
  そして私は夢と現の狭間で立ちすくむ

■ そして私は光と影の狭間で立ちすくんでいる
■ そして私は本音と建前の狭間で立ちすくんでいる
■ そして都市と田舎の狭間で
■ そして私はパラノイアとスキゾフレニーの狭間で立ちすくんでいる
■ そしてモダンとポストモダンの狭間で立ちすくむ
■ そして私は男と女の狭間で立ちすくんでいる

飯田橋のギンレイ映画館で久しぶりに邦画を見た。東野圭吾原作・生野慈朗監督・
山田孝之・沢尻エリカ主演
兄は弟を大学にやるための学費欲しさに、謝って人を殺してしまい、弟は兄の事件が発覚
する度に差別を受ける。服役中の兄への手紙をベースに物語は進み、加害者側と被害者側
の精神的な苦しみを描いた秀作である。
派手な場面や無理な演技もなく、山田孝之・沢尻エリカの二人もなかなか良い俳優だ。
久しぶりにその切なさに涙がでたね。



歪んだ風景−岐路 5/11



■春
しっとりと湿気を含んだ空気の中に漂う花の匂いに浸りながら、私は窓辺に寄り添いパー
スペクティヴの街を眺めた。左下から右上にむかって道はせり上がり細く収斂しながら空
に向かって霞の中へとけ込んでいる。オーダーで飾られた石造りの古い建物は、等間隔に
開けられたベネッシャンブラインドの窓々の作るリズムが私には快かった。
私はさよならを言って帰る彼の後ろ姿を窓越しに目で追いながら、ジムノペディの音楽を
聞き、彼と過ごしたさっきまでの幸せな時間を噛みしめている。そうだこれは釣鐘草の花
の匂。がっしりとした肩、すらりとした背、ざっくりとした荒い手織りの茶色のブレザー
を着てハンチングを被り、大股でゆったりと歩き去る。そして彼の姿は街灯の黄色の光に
照らされて、黒い影を歩道に残しながら左の街角に消えた。


             

■夏
円錐状の赤や白い花、逞しい幹、鬱蒼とした大きな葉を持つ西洋栃の木は、これから暑い
太陽の光を遮り人々に涼しい影を作ってくれるだろう。私はさよならを言って帰る彼の後
ろ姿を窓越しに目で追いながら、ボレロの音楽を聞き、彼と過ごしたさっきまでの幸せな
時間を噛みしめている。そうだこれは山百合の強い匂い。太い眉、どっしりとした鼻、ほ
どよい厚さの唇、日に焼けた顔、さっぱりとした白いポロシャツ着て麦わら帽子を被り、
大股でゆったりと歩き去る。そして彼の姿は真昼のまぶしい光に照らされ、影も残さず左
の街角に消えた。




■秋
真っ赤に紅葉したアメリカ楓の大きな葉は微かな風になびいている。夕暮れ時の部屋には
凜とした透明な空気が漂う。私はさよならを言って帰る彼の後ろ姿を窓越しに目で追いな
がら、ボカリーズの音楽を聞き、彼と過ごしたさっきまでの幸せな時間を噛みしめている。
やはりこれは金木犀の匂い。金釦のついた紺色の上着とベージュの綿のズボン。そして彼
の姿はコバルトブルーに暮れなずむ空の下、細い影を引き連れて左の街角に消えた。


             

■冬
木々は枯れ葉を落とし、天に向かって手をさしのべ叫び祈るように厳しい姿を見せた。春
はまだ私には気の遠くなるほど彼方に思える。私はさよならを言って帰る彼の後ろ姿を窓
越しに目で追いながら、シシリアーノの音楽を聞き、彼と過ごしたさっきまでの幸せな時
間を噛みしめている。やはりこれはローズマリーの匂い。そして彼の姿は鈍色の時雨に煙
る街灯に照らされた歩道を踏みしめて、黒いコートに包まれた不吉な形となって右の街角
に消えた。私はそれを見て、もはや楽しかった時も終わりだと悟った。

同人α第11号投稿作品
*BGMを聴きながら観賞したい方→ 岐路



始原へ遡ろう−無の紐 6/20

◆私は作者と共に「真空」・「超ひも理論」・「エレガントな宇宙」・「あることの不思議」など
の本を読んでいるから、なんとなくその表現している世界が判らないでもない。

◆この詩のテーマはまだ宇宙がビッグバンによって生まれる前の、ただエネルギーだけが
存在している真空で混沌とした無の世界のことである。そして素粒子のひもが振動し出し
てビッグバンとなり様々な物質を生み出していく過程は我々の想像をはるかに超えてい
て、何が生じたか理解できないほど神秘的だ。

◆だからこの詩は人間の能力では何が何だか判らないことが起きていることを表現してい
る。いわゆるまだ形をなさないカオスの世界を表現したであろうことだけは判ったと結論
しとくとしょう。


イギリス名詩選 10/14

ここ二・三日富士山は雲に隠れたまま顔を出さない。
久しぶりにイギリス名詩選を読んだ。私の心情にぴったりの詩だ。

エミリ・ブロンテ

富なんてものは問題にもならない。
恋だって、考えただけで吹き出したくなる。
なるほど、名誉欲か? そういえば、昔夢見たこともあったが、
日が射すと忽ち消える朝霧みたいなものだった。

もし私が祈るとすれば、自然に
口をついて出るたった一つの祈りだ。
「今の私の心をこのままそっとしておいてくれ、
そして、ただ自由を私に与えてくれ」という祈りだ。
嘘ではない。−光陰矢の如しで、どうやら私の
終わりも近い。そこに私が求めるものは、ただ、
何ものにも囚われない一人の人間として、勇気を持って、
生に堪え、死に堪えてゆく、ということだけ!

◆ 河口湖畔の自然博物館近くで毎年クルミの実を採取していたがいまはない。近くのガ
  ソリンスタンドのオーナーに聞いたところ、今年の夏の台風で目通り1mもあったク
  ルミの大木が倒壊したという。残念なことに今は切り株だけが残っている。今年はど
  こか新しく採取できるクルミの木を探さなければ今年は駄目かと半分あきらめていた
  ら、「辻が花」の久保田一竹記念館の側の湖畔に沢山実っている木をみつけた。早速
  背負い籠と伸縮自在な剪定竿をJマートで求めて勇んで出かけるとするか。
  そうだ、野いちごやクルミや山栗の採取マップをこの冬は薪ストーブに当たりながら
  作成しよう。



我が願い 10/16

イギリス名詩選より

A Wish         Samuel Rogers

Mine be a cot beside the hill;
A bee-hive's hum syall soothe my year;
A willowy brook that turns a mill,
With many a fall syall linger near.

The swallow,oft,beneath my thatch
Syall twitter from her clay-built nest;
Oft shall the pilgrim lift the lantch,
And share my meal,a welcom guest.

Around my vivied porch shall spring
Each fragrant flower that drinks tha dew:
And luky,at her wheel,shall sing
In russet-gown and apron blue.

The village-church among teh trees,
Where first our marriage-vows were given,
With merry peals shall swell the breeze
And point with taper spire to
Heaven.

小さな願い     サミュエル・ロジャーズ

私の願いは、丘の傍の小さな田舎家にすむことだ。
そこでは、蜜蜂の静かな唸り声が私の耳を慰めてくれ、
水車をまわす小川のほとりでは柳がそよぎ、
せせらぎの音が絶えずあたりに漂っていたら、と思う。

わが田舎家は軒先の、泥を固めて作った巣からは、
燕の囀りも朝な夕なに聞こえてくる。
時には、旅人が門の閂をはずして入ってきて、
わが家の客人として食事をともにしてくれる・・・・・。

蔦の這ったポーチのまわりには、露をふくんだ
花がいずれも見事に咲き揃っている。
家のなかでは、手織りの服と青いエプロンをつけたルーシーが、
糸を紡ぎながら静かに歌を朽ちずさんでいる・・・・・。

われわれが初めて結婚を誓った村の教会も
木の間隠れに見えている、---そして、楽しげな鐘の音が
そよ風にのって伝わってくる、その尖塔が
天国を指している・・・・・。私はこういう所に住みたい。



イギリス名詩選より 10/29
老齢

Old Age Edmund Waller
The seas quiet when the winds give o'er;
So calm are we when passions are no more.
For then we know vain it was to boast
Of fleeting thigs, so certain to be lost.
Clouds of affection from our younger eyes
Conceal that emptiness which age descries.

The soul's dark cottage, battered and decayed,
Lets in new light through chinks that Time has made:
Stronger by weakness, wiser men become
As they draw near to their eternal home.
Leaving the old, both worlds at once they view
That stand upon the threshold of the new.

老齢           エドマンド・ウォラー

今まで吹いてた風が止むと、海は静かになる。
それと同じで、激情が収まると、人間も穏やになる。
結局無意味になりのが分かりきっているのに、くだらないことを
自慢していた自分のむなしさが、歳をとってやっと分かってくる。
若い時には、うぬぼれに眼が曇、つい見落としていた
もの事の儚さが、老人になってやっと分かって来るのだ。

魂を覆ってい、肉体という小屋がぼろぼろになると、
「時」が穿った隙間から新しい光が射して来る。
人間というものは、弱くなってさらに強くなり、
神の御許に近づくに従っていよいよ賢くなってゆく。
古いこの世にまさに別れを告げ、新しいあの世の入り口に
立つに及んで、やっと両方の世界が同時に見えて来るのだ。



「パラレル宇宙」の狂気 10/30

神野佐嘉江氏はジキル博士に違いない
ギリシャ神話に登場する異なった個体
血液細胞を同時に持つ伝説の生物のように
バイオリンと鶯の遺伝子を密かに掛け合わせて
思い通りのキメラを創った

時にはバイオリンのように腐植土をした板に
毛が生え、ギーギーと鳴なり
時には鶯のようにけきょけきょと鳴いた
キメラはある時は己がバイオリンだと信じ
ある時はいや本当は鶯だと言い聞かせた

しかし、どっちつかずの体と心は思い悩み
そのストレスでついに身もだえして自ら命を絶った
その時ジキル博士はハイド氏になった
非常に稀ではあるがヒトにも存在するという




新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板