著者の作品はThe Color of the Morning やSkyline にしても短編ではあるが、実によく吟味
された食材を最高の職人によって作られた、色や味や匂いの見事なバランスの会席料理の
ように隙のない、緩みのない、大すぎるわけでもなく、また不足してもいないという見事
な作品である。私は日本では動物や植物を擬人化して慈しむといつか書いたが、この短編
を読むと、作者はある意味でJetsamを人格があるような、同じ生きているものとしての
慈しみと尊厳の目で見ていることが感じられた。それは猫かわいがりといった人間側の満
足ではなく、猫の本姓を尊重した接し方をしているということであろう。
最後に三つの作品とも、事象に対して決して作者の意図や思い入れを書き込まないことが、
かえって深みと謎めいた感じを読者に与えるのだろう。