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テーマ前書き集

8編集部:2014/06/12(木) 15:22:42
第25号「颯」
第25号「颯」 2010/11

          

  「颯」―表題によせて                     古賀 和彦

まず始めに表紙のデザインに用いた「颯颯」という文字は、山鬼:楚辞・九歌にあるもの
を借りた。
雷填填兮雨冥冥   雷填填として雨冥冥たり
猿啾啾兮又夜鳴   猿啾啾として又夜鳴く
風颯颯兮木蕭蕭   風颯颯として木蕭蕭たり
思公子兮徒離憂   公子を思へば徒らに憂ひに離(かか)るのみ

雷が鳴り響き雨が暗く、サルは悲しげに夜も泣いています。風は颯颯と吹き渡り、木は蕭
蕭たる音を立てています、あなたを思うと私の心はいらずらに憂いに沈むのです

颯の文字の姿を眺めていると堀辰雄の「風立ちぬ」を思い出す。信州のサナトリウムの周
りの自然のなかで白い野バラの間を微かに吹き抜ける風ノイメージが湧いてくる。颯爽と
したという漢字がこの「颯」である。

大富豪で泥棒を趣味とするスティーブ・マックイーンと保険調査員のフェイ・ダナウエイ
の二人が、全く違う立場で丁々発止とやり合う「華麗なる賭け」という映画があった。悪
と正義のせめぎ合いなかで何とも言えない二人のもどかしい関係を表現したミシェル・ル
グランの「風のささやき」という名曲がある。
http://www.youtube.com/watch?v=Wl8fKAYQuPk&feature=fvsr
またマンディー・バーネットの ウィスパーリング風という歌もある。
http://www.youtube.com/watch?v=FcfPumlZFiY


  風のささやき

風は独り窓辺に佇む私の心に
微かなささやきを残して走り去り
彼の姿を見せることはしない

仮眠の五感をそっと刺激して
覚醒しようとする私をからかうように
過去の思い出のなかに漂わせ
仮の夢に想いをふくらまさせ
荷担した報いとして孤独な憂をあたえる ニューロンの揺らぎ

あるときは花の香りを運んで
あるときは竹林をさざ波のように
あるときは松林をゴーゴーとふるわせ
あるときは首筋に冷たい空気を置いて行く
あるときは私にはな歌を唱わせる

風は私の想念への誘い
風は私の心へのささやき
風は私への宇宙の啓示


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