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昭和初期抒情詩と江戸時代漢詩のための掲示板
607
:
やす
:2012/01/25(水) 09:00:48
『山川弘至書簡集 新版』
さて新潟出張からの帰途、東京で途中下車して神保町にて一泊。翌朝、靖国神社に参拝してきました。今年は「山本五十六」の映画を観たこともあり、出張がてら長岡では山本五十六記念館や長岡高校記念資料館などを訪ね、余勢をかっての、でもないですが、実はわたくし、これまで戦争詩について考へたり書いたりしてきたものの(さうして八年間も東京に居ったにも拘らず)靖国神社に足を運んだことがなかったので、意を決して向かったのでありました(恥)。遊就館も初めて見学し、戦歿将兵の遺品遺書に圧倒され、遺影が四方の壁を埋め尽くしてゐるフロアでは、名簿を繰って故郷の詩人山川弘至(やまかわひろし)を、硫黄島で有名な栗林中将の遺影の隣に探し当てて、喜んでゐたのでした。
ところがです。その晩、東京から帰ってきたら郵便が届いてをり、中から出てきたのは一冊の本。ひもとけば吃驚『山川弘至書簡集』。唇を引きしめて正面を見据える詩人の尊顔と再び対することとなった御縁に、茫然となった次第。
それは詩人を精神的支柱に据えて活動を続けてゐる和歌結社「桃の会」が最初に刊行した書目で、久しく絶版になったまま一番復刊が希望されてゐた本であり、同装丁でその後、遺稿歌集『山川の音』・遺稿詩集『こだま』・『山川弘至遺文集』の三冊が出版されてゐますが、なんといっても詩人が戦争終結の4日前に戦死したことを踏まへ、未亡人となるべき山川京子氏へ書き綴られたこの本におけるドキュメントには胸にこみ上げるものを覚えずにはゐられず、跋文にも記されてゐますが、『書簡集』一冊が、まるまる相聞と述志の二色に染め抜かれた一篇の長編詩であることについて、いみじき思ひを新たにしたのです。
ドイツロマン派に詩人の告白・手紙が重要な位置を占めるのと同様、日本浪曼派にこの一冊を持ったことを、はたして文学史上の「幸ひ」とすべきなのか。かくも気高き精神に貫かれた恋文が、青年詩人ならではの全人的なロマン派精神開陳の所産であるのは理解できるとして、しかし優しさと正しさはもとより、憤りや焦り、さらには気負ひすらも読む者の心を痛ましく打つ、その「理由」を思っては今に至っても粛然とならざるを得ず、これを一人でも多くの若い人に読んでもらひたいとの思ひを、戦争を知らぬ世代の私も同じくするのであります。何故ならこの、遺書になるかもしれぬ覚悟を以て書き継がれた、これらの手紙の束から受けた感動を「傑作」と呼ぶことを厳しく躊躇はせる歴史の端っこに、私たちが今もって生きてゐるといふこと、その再確認は全ての日本人の責務と考へるからであります。
今回は上記の偶然も手伝って少々興奮気味の紹介ですが、ここにても篤く御礼を申し上げます。ありがたうございました。
『山川弘至書簡集 新版』 2011年,山川弘至記念館刊, 355p,17.5cm並製カバー
希望者は「桃の会」まで送料込1300円を送金のこと。振替口座00150-1-82826
付記:
新旧『書簡集』を閲してみましたが、新たに一通が追加された以外は、内容に差障る訂正はありません。追加一通は拙サイト上で紹介させて頂きますので、すでに旧版をお持ちの方には、新版の購入をお勧めするとともに、旧版にも添付して頂ければと思ひます。
https://img.shitaraba.net/migrate1/6426.cogito/0000772.jpg
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