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筑波大学生活支援学研究室

689徳田克己:2021/09/11(土) 05:25:46
保育者も困っています
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・「本当に困っているのは子どもであって、まわりの大人ではない」というのは間違った捉え方だと思う。
 栃木県の某幼稚園では、すべての子どもに「困ったこと、わからないことがあったら、すぐに先生に言ってくること」を徹底して、言ってきた子どもをまず褒めている。わからなければ、気軽に、何度でも「先生、わからない」と言える。だから「困って、とまどっている子どもの姿」を見ることはほとんどない。この園の保育者に対する相談会では、保育者たちから多くの「困っていること」が出される。その内容は、「もう、本当に困っちゃって、どうしたらいいの!!」というレベルではなく、「気になる子に〜しようと思っているが、その方針で良いかどうかの確信が持てない」というレベルの困り感である。

・私たちはよく「保育のことで困っていることは何?」「今、困っていることを話して」と保育者に問いかける。そうすると、多くの困りごとが出てくる。困っているのは「あきらめていない」証拠である。ある園で、ボーとしていてあまり遊べていない子どもを見かけたので、担任保育者に「先生、あの子の導きに困ってない?」と尋ねたら「あの子はセンターで『知的障害』っていう診断を受けているので、いつもあんな感じです。今は特に困っていないです」という答えだった。「知的障害があるからしっかり遊べなくても仕方ない」という考えになってしまっているようだった。保育者には「知的障害がある子の遊びを発展させるにはどうしたらいいんだろうか」と悩み、大いに困ってほしいと感じた。

・保育者の困りごとを聞き、一緒に解決しようとするのが私たちのような保育臨床家の仕事である。保育現場をよく知らないと思われる保育思想家たちに「困っているのは子どもなんです」と声高に言われると、保育者は「困っています」と言いにくいし、私たちも「困っていることは何ですか」と尋ねにくい。

・このような雰囲気を何とかしなければいけないと思って作ったのが、中央法規から出した『誰にも聞けなかった!保育者のいろいろお悩み相談/ 水野智美 / 西村実穂 / 徳田克己』という本だ。こういう時にはどうしたらいいんだろうかと保育者が迷い、悩み、困ることが取り上げられている。

・子どもの困り感に対しては保育者が支援できる。栃木の某幼稚園のようにすれば子どもから発信しやすくなる。でも保育者の困り感の解消には専門家の協力が必要だ。保育者の困り感を受け止める専門家になりたいと思う。





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