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「時間を止める三ステップ」⑥〜⑱(完結)
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:
中島タロー
:2018/11/08(木) 01:44:40
時間を止める三ステップ⑪
《第三ステップに関する補足・前編》
おさらいになりますが、第三ステップにおいて皆さんに求められるのは次のことです。基
本的に呼吸を対象として、「没入法」と「観察法」の「同時実践」を試みること。ここに
言う「同時実践」の意味は、既に分かっておられるとは思いますが解説いたしますと、同
時に同じ比重で実践するということです。
ご存じのように「時間を止める三ステップ」においては、第三ステップに進む前に「没入
法」と「観察法」の二法をマスターしておくことが正規の手順になっておりますが、その
理由は、それらを前以てマスターできていると、それらを「同時実践」するのが容易にな
るからです。
「没入法」と「観察法」を前もってマスターしておればこそ、それらの「同時実践」が容
易にそしてきちんとできるようになるというわけです。急がば回れ、ということですね。
とはいえそれ以前の問題として、前回の説明だけではまだまだこの第三ステップのやり方
が十分に飲み込めないという方も、皆さんの中にはいらっしゃるかも知れません。なので
今回は、この第三ステップのやり方について、さらに言葉を足させていただきます。
前回申し上げたことの繰り返しになりますが、呼吸を対象として「没入法」と「観察法」
の「同時実践」を試みることはある角度から捉えますと、心を呼吸の中に入れよう(込め
よう)とする志向と、心を呼吸の外に出そう(外そう)とする志向とを五分と五分に拮抗さ
せて、どちらにも偏らないようにするということでもあります。
説明を簡素化するためにここでは、「百パーセントの心」と記述すべきところを「心」
とだけ記述させていただいていることをご了承願います。
前出の二つの志向を五分と五分に拮抗させてどちらにも偏らないようにするということ
は言い換えれば、心を、呼吸の中に入れているのかそれともその外に出しているのか、
どちらとも取れるような、あるいはどちらとも取れないような、一体どちらなのか判別
のつけようが全くない、どっちつかずの真ん中の状態に持って行く、ということでもあ
ります。
その「どっちつかずの真ん中の状態」と言いますのは顕微鏡を覗くような細かい眼で調
べてみても、どちらかへの偏りを見つけ出すのが不可能な状態でなければなりません。
心を前述のような状態に持って行くためには、そういう意味での精密さ精確さが要求さ
れるということです。
で、心をその状態に持って行くことに成功いたしますと何故か、心は脇に退いてしまい
ます。そしてその結果として、心とは別にある真我という名の眼で呼吸を見ている状態
に我々は成ることができます。心の出番が無くなると真我という名の眼の出番がやって
来るものなのです。
ちなみにここに言う心とは思考の出どころである顕在意識のことだけでなく、多くの人
が真我だと思っている潜在意識までも含めた心のことです。
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