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「時間を止める三ステップ」⑥〜⑱(完結)
10
:
中島タロー
:2018/11/08(木) 09:54:38
時間を止める三ステップ⑭
《ご質問へのお返事》
以前「あいさん」という方からご質問を頂戴しておりましたので、遅ればせながら今回こ
の場を借りてお返事させていただきます。
【ご質問】
「没入法」の数息観を昨日から練習していますが、100を1セットとして2セット目で息を
数えていると、知らぬ間に眠ってしまいます。
1セット目でも20を過ぎた頃から眠くなったり、数を数えているのに雑念が湧いたりします。
集中力が足りないのでしようか?
最初はこんなもので続けるうちに出来てくるものでしょうか?
またマスターできたと分かるのは、何によってでしょうか?
【私からのお返事】
数息観には「100を1セットとして数える式」の他に「10を1セットとして数える式」もあり
ます。あなたのように「100を1セットとして数える式」だと集中力が続かないという方は
「10を1セットとして数える式」、あるいはもっと言いますと「5や3を1セットとして数え
る式」に切り替えてみるのも一つの手だと思います。
「5や3を1セットとして数える式」というのはもちろん私が考えたものですけれども。
こういう短めのものならば1セットが終わる前に集中力が途切れてしまうなんてことはない
でしょう。問題はそれを何セット続けるべきかということですが、そこのところはあなたに
無理の無い範囲で自由に決められたらよいと思います。
ちなみにおさらいになりますが、数息観を使った「没入法」の実践において我々がしなけれ
ばならないのは、呼吸を数える行為に100パーセントの心で没入すること、あるいは成りき
ることです。ここに言う「100パーセントの心」とはあくまでも自分から見た100パーセン
トの心だということを付け加えておきます。
さてあいさんの最後のご質問は、(その数息観を使った「没入法」が)マスターできたと分か
るのは何によってでしょうか? ということですね。
直接的な答えにはなってないでしょうが、今は次のように申し上げておきましょう。私の基
準では、呼吸を数える行為も含めてある一つの対象の中に心を全部入れるとはどういうこと
なのかが頭や理屈じゃないところで理解できたら、つまり体験として理解できたら、その段
階で取あえず「次のステップに進むための最低限の資格」はあなたにあると言えます。なの
でまずは、その段階を目指していただきたいと思います。
ここからはついでの話です。
前述のようなわけで「没入法」の実践者に最低限求められるのは、ある一つの対象の中に心
を全部入れるとはどういうことなのかを頭や理屈じゃないところで理解することです。そし
て「観察法」の実践者に最低限求められるのは、ある一つの対象の外に心を全部出すとはど
ういうことなのかを頭や理屈じゃないところで理解することです。
この二つのことができますと、「第三ステップ」すなわち、ある一つの対象の中でもなく外
でもない中間点(真ん中)に心を全部置くことの意味もまた、頭や理屈じゃないところで理解
できるようになるものです。
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