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「アメリカ」ウォッチスレッド
34
:
無限回廊
:2008/12/19(金) 05:01:32
44 名前:Jackal 投稿日: 2006/08/13(日) 08:24:57
ご存じの方も多いと思いますが、真珠湾にアリゾナ記念館という白亜の慰霊塔があります。
丁度日本の奇襲攻撃によって戦艦アリゾナが撃沈された場所の上に建っていて、足下に水面下の
アリゾナを見ることが出来ます。その記念館で真珠湾攻撃に関するドキュメンタリーフィルムを
上映しているのですが、その中では日本は悪魔の国、卑劣な国、卑怯な国として、徹底的に憎む
べき存在して描写されています。上映終了後(約20分)、周りの観客からの視線が少し痛いよう
な気分になります。戦争の場合、戦意高揚のため敵国を悪として描写するのは当然のことで、
日本も鬼畜米英だとか、捕虜になると恐ろしい辱めを受け殺されるというようなプロパガンダを
流していましたので、米国の日本描写自体は驚くに値しません。ただ、戦時中ならいざ知らず
戦後60年も経っているのに、あまりにも一方的な(当時の日本の置かれていた状況を一切触れない)
描写はどうかなあと思ったものです。(因みにアリゾナ記念艦へはボートに乗って行くのですが、
帰りのボートで、パパブッシュの演説が放送されていて、詳しいことは忘れましたが、日本は今
は米国の友好国として大切な存在である、みたいな事を云っていたようには記憶していますが。)
ところで、戦時中、日本人を「人」というよりも「下等動物」として描写し国民に戦意を煽って
いた一方で、米国は文化人類学者を中心にして、日本、特に日本文化について非常に冷静な分析
をしていました。中でも Ruth Fulton Benedict 女史による
「The Chrysanthemum and the Sword; patterns of Japanese Culture」(邦題:菊と刀)
分析は秀逸で、日本人も気付いていないと思われる日本の文化の背景にある精神を描いています。
勿論、戦時中現地調査のできない状況で行なった分析ですので、おかしな所もありますが、国中
が「鬼畜米英」から一歩も抜け出せなかった日本と比べると、アングロサクソンの行動原理みた
いなものを改めて知ることのできる貴重な資料です。当然これらの分析は、戦後の占領政策に
影響を与え、刷り込みにも使われているように思います。戦意高揚のためのこき下ろしと占領指針
としての敵国分析は正に「戦術」と「戦略」であり、少なくとも「戦略」においては日本は完全
に負けていたように思います。
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