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「記者クラブ」関連スレッド

73・゜*ヽ(´ー`)/。・゜*:2005/02/16(水) 05:57:35
 新聞の時代は終わった http://kokkai.jctv.ne.jp/
 一週間に一度は警視庁に泊まり込む勤務があった。夜七時頃から翌朝の九時まで火事や事件の通報がある度にカメラの手配をして原稿を書く。その泊まり勤務にはちょっとした楽しみがあった。それは夜九時頃にやってくる物売りのおばさんである。おばさんは背中に大きな籠を担ぎ、いなり寿司や海苔巻き、果物などの食べ物を売りに来た。おばさんが来るとそれを合図に各社の泊まり勤務者がブースから出てくる。共有部分のテーブルに食べ物を並べてささやかな酒盛りが始まる。他社の記者達との四方山話は楽しかった。そんな話の輪に警視庁の広報担当者が入ることもあった。広報の担当者は必ず「我々はテレビさんをもっと大事にしたいんだ。もうテレビの時代だよ。何たってテレビの方が早いからね。新聞社に文句言われるかも知れないけど、真っ先にテレビに発表したいんだ」と言った。記者クラブの序列では「七社会」が一番で、警視庁は新聞社の面子を立てなければならないのだが、本音はテレビをもっと活用したいのだ。それは当然だと思った。事件や事故は活字よりも映像の方がその模様を雄弁に物語る。
 「新聞の社会部の時代は終った」と言われたのは、前年のロッキード事件の時である。
 ロッキード事件が発覚した直後の一九七六年二月十六、十七日の二日間、衆議院予算委員会は小佐野賢治国際興業社主、若狭徳治全日空社長、桧山広丸紅会長、大久保利春丸紅専務らを国会に呼んで証人喚問を行った。証人喚問の模様はテレビで生中継された。日本中が注目した国会中継の視聴率は三Oパーセントを越えたと言われた。その映像はニュースでも繰り返される。おそらく殆どの国民が喚問の映像を見た。それを活字で表現しなければならない新聞記者は困った。すでにみんなが見てしまっている以上、かけ離れたことは書けない。証人達の表情を「ふてぶてしい」と書くか「こわばった」と書くか、「うつろ」と書くか「無表情」と書くか、表現は難しかった。かつて新聞社には名文家と言われる記者が居て、その表現の巧みさで評価された。しかしテレビ時代になって「見てきたような嘘」は書けなくなった。この証人喚問の後、新聞社の中から「社会部の時代は終わった」という声が聞こえてきた。そして社会部の取材対象の中心である警察は、広報の軸足をテレビにシフトさせようとしているのだった。(続く)


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