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「記者クラブ」関連スレッド

72・゜*ヽ(´ー`)/。・゜*:2005/02/16(水) 05:57:20
http://kokkai.jctv.ne.jp/
 我々が独自に分析するか、警察に提供して見返りに血液型を教えて貰うか、キャップに相談して髪の毛は警察に提供する事になった。私は緑色の布きれを手がかりに時限爆弾を入れたバッグの割り出しを始めた。暇を見ては日本橋、蔵前、駒形などの問屋街をまわって歩いた。
 ある日の午後、上野のアメ横の鞄屋でデニムのバッグを扱っていないかと聞くと、店のオヤジが「警視庁の人ですか」と聞いてくる。「オッ!」と思った。思わず「そうです」と答えると、「さっき、お仲間が一つ持っていきましたよ」と言って、店の棚にある緑色のバッグを指さした。当たりだ! 「いや、もう一つ必要なんだ」と言ってバッグを手に入れた。店を飛び出して時計を見ると、夕方のニュース番組まで一時間しかない。
 デスクに電話を入れ、タクシーでTBSに急いだ。私が手に入れたバッグは到着と同時にスタジオに運ばれ、入江徳郎キャスターの横に置かれた。時限爆弾を入れたのと同型のバッグはニュースの冒頭でスクープ情報として紹介された。
 翌日、鑑識の係官から「公安の隠密部隊がTBSのためにえらい怒られたと言っているぞ。一度挨拶に行ってこいよ」と言われた。
 TBSのニュースを公安一課長が見たとき、捜査員が上野のアメ横で手に入れたバッグの件はまだ公安一課長に報告されていなかった。そのため「TBSに抜かれるとは何事だ」と公安一課長は怒った。
 この一件で私は公安部に隠密捜査班がある事を知った。爆弾事件専門の捜査班である。その存在は記者達には全く知らされていない。隠密捜査班の部屋は公安部とは別の場所にあってドアには何の表示もなかった。
 私は鑑識の人間から隠密捜査班のリーダーの氏名と住所を聞き出し、ある日夜回りをかけた。その警察官の自宅は東京郊外の畑の中にあった。突然訪れた私に相手は驚いた。記者の取材を受けるのは初めてだと言い、警視庁内で会ったり取材されるのは困ると言った。しかし自宅まで訪ねたことで逃げられないと思ったか、表示のない部屋の電話番号を教えてくれ、電話取材に応じる約束をしてくれた。
 検察の徹底した情報管理と同様の事が警視庁公安部でも行われていた。刑事部の取材とは比較にならないほど公安部は秘密のベールに包まれていた。
 しかし警視庁にはたたき上げの警察官が大勢居る。彼らは組織の論理でしか動かないキャリア官僚とは異なり、人間味溢れる人々であった。口は堅いが、人間同士のふれあいは出来た。そうした中から検察とは違う取材が出来た。


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