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「エロマンガ」は「規制されて当然」なのか?

1カマヤン:2004/01/30(金) 04:16
小文を作ってみたので、保存のためポストしてみるテスト。

2・゜*ヽ(´ー`)/。・゜*:2004/01/30(金) 04:17
 「エロ」という言葉は、非常に広い曖昧な概念なので、使用者によって定義や
指し示している内容が違ったりする。

 1;たとえば、思春期なり思春期前に、親からセックスを見せられてトラウマになる例はある。
 2;また、思春期なり思春期前に、第三者から不快な性的肉体接触・セクハラを強制され、
それがトラウマになる例もある。

 「規制反対派」は、これらの事実が存在することに反対しない。
むしろ、「規制反対派」には、深刻な性的トラウマを自身が持っている例がけっこうあり、
逆に「規制推進派」は深刻な性的トラウマについて無頓着なことがけっこうある。
 「エロマンガ」の効用には色々あるが、性的トラウマを、マンガで解消する・癒す、という例は、
実際問題として多い。

3・゜*ヽ(´ー`)/。・゜*:2004/01/30(金) 04:18
 「法律(国家の介入)」と、「道徳」は、領域を分けるべし、というのは、近代国家の原則の
一つで(政教分離)、以下の図のうち、

       家族間
   A       │     
            │
家庭        │       屋外
──────┼────────
            │
            │      B
            │
          他人間

 国家が介入していいのは、原則的にはB(他人間-公共空間)の領域だ。
 A(親族間-家庭)は「私権」の領域で、国家介入を排除するべき領域だ。
 どんな思想を持つか、どんな信仰を持つか、どんな道徳律を持つかは、A(親族間-家庭)の
領域の問題だ。
 ここに国家介入を許すと、中世社会・共産主義国家・ファシズム国家などに転落する。

 欧米では、Aの道徳律は、教会が担当している。Bの法律を、国家や法律が担当する。
(日本では、教会に相当するものの力が弱すぎたり、政治と癒着しすぎていたりするから、
イマイチ、この理屈がピンとこないことが、実際問題、多いのだが…)
 「道徳」と、「法律」の棲み分けは、上記の通り。
 道徳観・価値観は、各人の権利で、国家からの介入を許さない、というのが「政教分離」原則だ。
道徳律程度は、いい大人なら自分でもってなさい、という言い方もできる。
そんなものまで国家に頼るような大人を、近代社会は原則的に想定していない、という
言い方もできる。

4・゜*ヽ(´ー`)/。・゜*:2004/01/30(金) 04:19
 で、先に挙げた「1;親によるセックストラウマ」から未成年を救出するには、
国家が介入しなくちゃならない。実際問題として難しいが。
 「2;第三者のセクハラによるトラウマ」は、公領域の問題だから、
これも国家介入があって当然そうだ。

 だが、「セクハラ」なのかどうか、というのは、当人の主観に依拠する問題だ。
たとえば恋人間でのキスは、当人同士不快だと思っているわけがないから、セクハラに
なるわけがない。
 何をセクハラだと感じるかは、今度は各人のトラウマや性体験から逆に導かれるものだから、
ある程度の合意形成は可能だが、あるところからは各人の内面の問題になる。
 たとえば、厳格なイスラム教徒なら、女性が素顔を出すのはセクハラになる。 

 さて、「エロマンガ」は、「表現」なのか「セクハラ」なのか。
 発表者と読者の間では、「これは表現だ」というコミュニケーションが成立している。
発表者・読者間のコミュニケーションでは、先に述べたように、それによって性的トラウマが
癒されることがある。
 が、第三者にとっては、「セクハラ」だと感じることもあるだろう。だから「セクハラ」になることを
回避しなくちゃならない、という論理は、一応成立する。

5・゜*ヽ(´ー`)/。・゜*:2004/01/30(金) 04:19
 その前に前提として、「言論の自由」「思想良心の自由」は、「B;公領域」で、特権的扱いを
受けなくちゃならない。と、法学及び憲法では規定している。
 「A;私領域・道徳律」を守るために、「言論の自由」「思想良心の自由」は不可欠だからだ。
中世社会・共産主義国家・ファシズム国家に転落させない最終防衛ラインだ。
 「時と場所は配慮しあおう」というのは、「言論の自由」に国家が課せることのできる
ギリギリの規制だ。そこを踏み越えると、各人の「道徳律」が侵犯される。

 だから「エロマンガ」を乱暴なかたちで法律で規制する、というのは、各人の道徳律を支える
社会的基盤を壊すことになる。「時と場所は配慮しあおう」が、国家による規制の限界値だ。

6カマヤン:2004/01/30(金) 04:20
>>2-5
うーむ、小文だなあ…
適切なポスト場所が見つからなかったので、新規スレ立てしてみました。

7・゜*ヽ(´ー`)/。・゜*:2004/01/31(土) 03:03
>むしろ、「規制反対派」には、深刻な性的トラウマを自身が持っている例がけっこうあり、
>逆に「規制推進派」は深刻な性的トラウマについて無頓着なことがけっこうある。

ホントになんでこんな結果になるんでしょうねぇ。推進派にトラウマ持ちは
いそうで意外といないというか。いたとしてもカミングアウトしないってことなのかな?
性そのものから目をそらすから。

8鳥山仁:2004/01/31(土) 17:08
トラウマの有無よりも、
トラウマの処理方法が問題なのでは?

ポルノにはマスターベーションすることによって、
自己承認を得るという効果があるけど、
他者承認を求める人間にとって、それは代償行為でしかないでしょう。

性行為で他者承認されている人間にとって、
ポルノはそれほどウエィトの高いアイテムではないし、
それ以前にセックス以外の行為で自己承認可能な人間にとって、
ポルノが必要かどうかも怪しいわけですし。

セックスヘイトの基本思想は、
1:性行為で承認されたくない
か、
2:性行為で承認されるのは劣った人間であると思いこんでいる
か、
3:性行為で承認される人間に対してルサンチマンを抱いている
の3パターンのどれか、もしくは混合だろうから、
これを分類せずに議論を組み立てるのは、
本質からずれるような気がします。

9カマヤン:2004/01/31(土) 17:29
>>8
 「エロマンガ」と、「性行為」は、イコールじゃないし、むしろ感情的には、しばしば逆のベクトルに
働くような気がします。「ポルノ」と、「エロマンガ」は、マンガコミュニケーションの中では、
絡み合ってはいるけど、別物だと思います。
 「ポルノ」という語の定義にもよるけど。
 実話雑誌なんかを「ポルノ」と呼ぶときは、タブー感のある情報が、体液と幻想を
絡めて語られる、その暴露性の趣が「ポルノ」と呼称されるわけで、「性行為」の有無をもって
「ポルノ」とするわけじゃないので、「エロマンガ」のポルノ性って、実話雑誌なんかのポルノ性に
近いんじゃないかな、と、思います。
 エロマンガも執筆者・読者によって、何を指し示しているのかそれぞれ別なものではあるけど。

 ところでここにポストした「小文」は、新たな立論を志したものではなく、2ch同人コミケ板で、

> 728 名前:名無しさん@どーでもいいことだが。 投稿日:04/01/29 23:04 h4Xz/L/M
> 国が規制する根拠が無いのなら親が規制する根拠も無いだろ。
>子供に「表現の自由は大事だろ?」と言われりゃどうする?

> 729 名前:名無しさん@どーでもいいことだが。 投稿日:04/01/29 23:52 X3H+sAPS
> 道徳観・価値観は、各人の権利で、国家からの介入を許さない、というのが「政教分離」原則です。
> 道徳律程度は、いい大人なら自分でもってなさい、という言い方もできます。
>そんなものまで国家に頼るような大人を、社会は想定していません、原則的には。

> 730 名前:名無しさん@どーでもいいことだが。 投稿日:04/01/30 00:04 N6C8pcVl
> なるほど。エロは未成年には良くない、と言う道徳律は認めるわけね。

 こーゆーやり取りに対してポストしようとして、PC不調でポストできなかったので、
「オタクの政治プラス」にポストしました。

10カマヤン:2004/01/31(土) 18:15
>>7
 カミングアウトの有無は、トラウマを持っているいないとは、あまり関係ないと思います。
 フェミニズム系(だと自己規定している)推進派は、主観的には、「自分は他の人より性的トラウマに
敏感だ、セクハラの深刻さを判っている」と思っています。
 ですが、「規制反対派」で性的トラウマを持っている人から見ると、ええとこの嬢ちゃん
坊っちゃんが頭の中だけで考えた理屈・本の中だけで読んだ理屈を、
「数学の公式を暗記するかのように」「古文を暗記するかのように」述べているだけで、
その理屈、実情に合っているの? という異議申立てに対して、「だってこう教わったんだもん、
それ以外は間違いだもん、試験教科じゃないもん」という拒絶反応を示すように感じます。

 エロマンガ規制したい、という動機には、いくつかの思想集団があって、以下が代表的な
ものかな、と。私の偏見がかなり入っているけど。

11カマヤン:2004/01/31(土) 18:16
A;文教族系
 ・動機;「従軍慰安婦」問題は「なかった」ことにしたい。「従軍慰安婦」は性暴力ではない、という
ロジックを作りたい。
 文教族とかは、戦中、憲兵や特高警察(憲兵は軍に、特高警察は内務省に一応属するが、
両者は組織実態上区別されてなかった。満州ではスパイ活動、謀略活動などしていた)出身者が
政治人脈のルーツだったりするので、自身の戦中の罪悪を隠蔽するための「物語」を作りたい、
という動機がある。
 ・信条;「女性の人権(性対象の人権)」を主張しているのは「共産主義の陰謀に違いない」。
在日朝鮮人への虐待は「なかった」ことにしたい。悪は、女性人権活動家・在日朝鮮人・日教組であり、
その正体は、「共産主義」だ。
 ・論理展開;「性的トラウマ」なんてない。「タテマエ」と「ホンネ」は分れてて当然だ、だから隠蔽は
必ずあるものだ。「美しい日本」という「タテマエ」を維持するために、猥雑なエロマンガは警察によって
規制するべきだ。

B;女性官僚系
 ・階層;いいとこの嬢ちゃん坊っちゃん。性虐待は本で読んで初めて知り、ビックリした。
 ・知的枠組;フェミニズム理論をお勉強しました。試験では合格点を出します。
 ・情報の盲点;マンガ家なんていう下層階層の実態は知らないし、それをフェミニズム理論でどう
位置付けるべきかは教科書がないから、判らない。
 フェミニズム理論は知っているけど、暴力団・警察・政治の癒着構造はあまりよく分らない、教科書もないし、
試験には出ない。
 「受験勉強」以外に頭を患わせなくていい環境にいたので、性的トラウマを長年抱えているような人は、
身近に接触したことがない。「性的トラウマを長年抱えているような人」は、「可哀相」で「救わなくちゃならない」
と思っているが、誰が「性的トラウマを長年抱えているような人」なのかは、見たことがないから判らない。
 日本の出版界の構造は他の人が考えるべきで、自分の守備範囲ではない。猥褻が「言論の自由」を
主張するのは、裏に経済利益があるからだと思っている。広告代理店によるメディア支配などについては
ほとんど知らない。試験に出ないし、広告代理店は見かけが紳士的だし、ちゃんとした会社だから、
警戒するべきではないと思う。
 ・論理展開;猥雑なものは「人権」意識に欠けるから、日本では存在している。

12鳥山仁:2004/01/31(土) 22:36
カマヤンさん>
???
えーと、私は、

ポルノ、エロマンガ→自己承認のための媒介項として消費されるサムシング
セックス→他者承認を内包した行為

と定義付けしているので、別物だという前提で話をしているんですが、どこで捻れが生じてますか?
承認欲求という意味合いで、同一という解釈でしょうか?

また、確かにポルノとエロ漫画は同一ではありませんが、
主たる消費目的はどちらも自己承認なので、厳密な区分は必要ないでしょう。
承認に至るプロセスが異なるだけの話です。

問題は、エロ漫画を消費することで、
自己承認欲求を満たす行為が、国家や地方自治体に規制できるか否かで、
これは「他者との相互承認が出来ている人間には規制不可」だが、
「他者との相互承認が不可能な人間には規制可」としか言いようがありません。

具体的には「未犯者には規制不可で、性犯罪歴のある人間には規制可」が理想なんですが、
現実には無理っぽいので別の方法を探るしかありません。

また、未成年者で自己承認回路が安定していない人間に、
ポルノやエロ漫画を利用した承認欲求の満たし方を、
許可しても良いかどうかという問題もありますが、
セクシャルアイデンティティと自己承認の関連性を、
ことさら重大視する一連の保守派、フェミニストの言説が異常なのだ、
という論理的な説明はしておけば、規制する必要は見あたらないと思います。

もっとも、この説明を理解させる為には、
多大な労力がかかりますが。

13・゜*ヽ(´ー`)/。・゜*:2004/02/01(日) 10:29
>>12
>セクシャルアイデンティティと自己承認の関連性を、
>ことさら重大視する一連の保守派、フェミニストの言説が異常なのだ、

鳥山氏の事ですから当然、セクシャルアイデンティティと自己承認の関連性を
ことさら軽視する、あるいは関連性に気付きもしない反対派も異常だ、
と言う反語もふくまれてるのでしょう。
「未犯者には規制不可で、性犯罪歴のある人間には規制可」なら未犯者にも規制可
まで後一歩なのになぁ。この一線が大きい事も認めるけれども、やがて現実に
起こりうる事件によって世論は易々と乗り越えられるのでは?

14鳥山仁:2004/02/01(日) 15:16
13さん>
うーん。
論点を整理すると、
1:性的な自己承認と他者承認をどう位置づけるのか?
2:性犯罪者の再犯率を、どうやって低下させるのか?
の2点に絞られるのだと思うのですが。

まず、保守派というのは、クリスチャンがその代表ですが、
性的なものに関する自己承認を原則として認めません。
つまり、マスターベーションは不可です。
同時に、性における他者承認を常に優遇しますから、
結婚や出産といったイベントを重視します。

こういった思想は、既存のセクシャルアイデンティティを、
自明のものとして受け入れられる人間にとっては良いでしょうが、
ここからずれてしまったセクシャルマイノリティや、
他者承認の条件を満たせない人間にとっては地獄です。

たとえば、自己の肉体が女性であることにアイデンティティを獲得できない人物にとって、
セックスや結婚や出産は意味のある行為ではなく、むしろ苦痛が大きいものでしょう。
セクシャルアイデンティティの社会的な位置づけを行わないまま、
自己承認をするためには、何らかの方法でマスターベーションをするか、
性そのものを否定するしかありません。
この2択がセクシャルマイノリティ擁護か、セックスヘイトの分かれ道です。

他者承認が満たせない人間に関しては、
様々な場所で嘲笑の対象となってきたので、
今更解説の必要性はないでしょう。
(続く)

15鳥山仁:2004/02/01(日) 15:26
ところが、保守派の考え方は性犯罪者の再犯率低下には有効です。
先述の通り、マスターベーションは典型的な自己承認行為ですから、
性犯罪者が行うと「性犯罪を犯している自分を自己正当化する」目的が含まれます。
性犯罪者が逮捕されると、ポルノやエロ漫画が大量に発見されるのはこの為で、
場合によっては被害者のスーベニア(記念物)を保管しているのも同様の理由に因ります。

更に、児童ポルノのように、世間に流通させたり相互に交換することによって、
他者承認、相互承認を行う場合もあり、ここまで来ると大方のリベラリストでも、
目をつむれなくなってきます。

それでは、こうした諸々の問題の落としどころはどこになるのかといえば、
社会的には「他者承認の枠を拡大する」方法以外のものが見つかりません。
具体的には、同性愛者やその他人権を侵害しないセクシャルマイノリティに対して、
法的な承認を与えることになります。
(続く)

16鳥山仁:2004/02/01(日) 15:40
しかし、この法的承認を与えるという行為が、
一部のフェミニストにかかると、
何故かジェンダーを否定する為の法的根拠を与えられた、
という風に解釈されます。

これは、人権という概念を媒介項にして、
異なる性的嗜好を相互承認しよう、
と言う概念が欠落しているために発生する誤認で、
貨幣という媒介項の存在を否定したポルポト派と何ら変わりがありません。
たいていの場合、彼らも社会主義者です。

問題はここからで、彼らはポルノやエロ漫画を、
自己承認のために消費されるサムシングとは認識せず、
ジェンダーを強化するための社会的装置と解釈します。

彼らの価値体系は、
ポルノ、エロ漫画の使用目的を理解していないという意味において、
頭が悪いを通り越して痴呆ですが、
「ポルノが悪い」という結論は保守派と一緒です。

そして、「敵の敵は味方」という理論で、保守派とタッグを組みます。

17鳥山仁:2004/02/01(日) 15:49
………すいません。
タイムアップです。
仕事に戻らねば。

この続きは後ほどということで。

18鳥山仁:2004/02/02(月) 05:55
多少時間が出来た。
そんだば、続きを。

一方のポルノ消費者、あるいは規制反対派は、
前述の通り2つのパターンに分類されます。

1つは性的価値観はノーマルであるものの、
他所承認の条件を満たせないタイプの人間、
具体的には非モテと何らかのトラウマによって異性に恐怖感、
あるいは嫌悪感を抱いているタイプの人間です。

もう一つのパターンはセクシャルアイデンティティの一致しないタイプ、
具体的には自分が男性であること、あるいは女性であることに違和感を感じているタイプか、
男性でありながら女性になりたい、あるいはその逆のタイプです。

前者はフェミニストと、後者は保守派と対立項を作ります。
しかし、前者は保守派と親和的で、後者はフェミニストと親和的………にはなりません。
その理由は単純で、保守派で性行動に非寛容なタイプは、
概ねセクシャルアイデンティティが安定していないからです。

19鳥山仁:2004/02/02(月) 06:06
これも前述のように、保守派の性に対する考え方は、
他者承認の極端な優位を自明とします。
つまり、自己が男性か女性かを決定する主要な要素は、
他者の承認であると考えるわけです。

だから、マスターベーションによる自己承認を否定、
あるいは下位に置き、
同時に他者承認を破壊しようとするジェンダーフリー運動に、
嫌悪感を示します。

同時に、一部のフェミニストも性別の決定は他者承認が優位である、
と考えているのでジェンダーフリーに熱心になります。

ところが、ここで重要なのは、ジェンダーとセクシャリティは、
必ずしも一致するという訳ではない、ということです。
つまり、ジェンダーは男性でもセクシャリティは女性、
あるいはその逆のパターンに当てはまる人間は確実に存在します。
そして、セクシャリティの最終決定者は自己でしかありません。

20鳥山仁:2004/02/02(月) 06:44
ここで、問題を再整理します。
まず、保守派と一部フェミニストは、
セクシャリティをジェンダーの真部分集合
(あるいはそれに近しい集合)であると考えています。

だから、ジェンダー集合の構成要素を変更すれば、
セクシャリティも変更するだろうと考えて、
ポルノやエロ漫画に干渉しようとします。
そして、このジェンダー集合の構成要素は他者承認です。

しかし、ポルノの消費目的は自己承認であり、
セクシャリティ集合の構成要素も自己承認です。
つまり、他者承認の真部分集合ではありません。

にもかかわらず、自己承認は他者承認の真部分集合です。
このような矛盾が発生するのは、時間の経過が要素に含まれないからです。
また、時間の経過を考慮に入れないのは、
この問題に関心を持つ人間が、常時セクシャルアイデンティティが安定していない
ということを暗示しています。

21鳥山仁:2004/02/05(木) 13:19
もう一方で、保守派も一部フェミニストも、
過度の情報流通には懐疑的です。

その心情は、元祖ネオコン(?)のウォルステッターが唱えた、
「ウォルステッターの罠」あるいは「ウォルステッターのノイズ」
と理論的に近しいものです。

「ウォルステッターのノイズ」とは、情報量が増えることによって、
相互に矛盾する情報が蓄積されると、
ノイズが発生して判断材料としての情報の質が低下するというもので、
元々は国家指導者の判断能力が鈍る原因を、
モデル化する目的で立てられた仮説ですが、
情報社会に生きる現代人には概ね当てはまると考えて良いでしょう。

22鳥山仁:2004/02/05(木) 13:32
これを性情報に当てはめると、
1:女性とセックスするときは優しく扱わなくてはならない、と書かれた情報がある。
2:その一方で、女性にはレイプ願望がある、と書かれた情報がある。
3:相互に矛盾する情報を読んだ男性Aは、どちらが正しいのか判断できなくなり、
4:場合によって、男性Aは後者の情報を選択してレイプ行為に走る。
という感じになります。

面白いのは、ウォルステッターのノイズに影響を受ける対象が、
保守派と一部フェミニストでは正反対に想定されていることで、
保守派は女性、一部フェミニストは男性が影響を受けるとされます。

つまり、保守派の理論では、性情報を読んだ女性が家庭を捨ててフリーセックスに走り、
一部フェミニストの理論では、性情報を読んだ男性がジェンダーバイアスを強くしてレイプに走ります。

23鳥山仁:2004/02/06(金) 02:33
ここで注意してもらいたいのが、
保守派の理論家の多くは男性で占められており、
一部フェミニストの理論家の多くは女性で占められている、
ということです。

つまり、理論家の性別と想定される性別が一致しません。
これは異常な事態です。
通常、ジェンダーもセクシャリティもヘテロな男女は、
性体験を語る場合も自己の体験と価値観を基準点とします。

たとえば、男性ならば「私の性体験はこうで、このような感想を持った」
という感じで、女性の場合も概ね同様の語り口です。
しかし、ポルノ、あるいはエロ漫画批判の場合、
こうした視点での語りはほとんどありません。

たとえば、「私はエロ漫画を読んで女性をレイプしたくなった。
従ってエロ漫画には問題がある」という話を男性がするケース、
というのも滅多にないし、
その反対に「私はレディースコミックを読んでフリーセックス信者になった。
従ってレディースコミックには問題がある」という話を女性がするケース、
というのも滅多にありません。

たとえ同性のケースについて語る場合も、
第三者的な立場をとることが多く、
まるで他人事のような口調で話をします。

24鳥山仁:2004/02/06(金) 02:46
ここで推測されることは、
ポルノ、あるいはエロ漫画反対論者は、
肉体的性別(セックス)、文化的性別(ジェンダー)、性対象嗜好(セクシャリティ)
が一致していない可能性が高い、ということです。

つまり、ポルノ、あるいはエロ漫画に強い影響を受けるのは、
セクシャルアイデンティティの一致しない人間であるという、
最初の結論に戻ります。

この推論を補強するのが、ポルノ、あるいはエロ漫画の読者層です。
たとえば、私が男性がサド、女性がマゾのSM雑誌を制作販売した場合、
この本に感想を送ってくるのは、ほぼ100%の確率で男性のマゾヒストです。

彼らが自己投影をしているのは、誌面に登場しているマゾ女性なのは明らかだし、
本人達もそう自己申告しているのですが、
面白いことにこれがフェミニストの手に掛かると、
何故か「女性を服従させるという、ジェンダーの強化に手を貸している本」
ということにされてしまいます。

そして、またしてもどういうわけか、
彼女たちの大部分は制作現場にも来なければ、
読者からの感想を読もうともしません。
これは保守派の男性も同様です。

26カマヤン:2004/02/07(土) 23:11
>>14-24
余計なお世話ではありますが、御自身のHPで論を展開されるほうが
有益ではないかなあ、と、思います。

27鳥山仁:2004/02/08(日) 01:49
カマヤンさん>
それなら止めましょう。
別によけいなお世話とは思わないので、
忠告に従います。
削除でも何でもして下さい。

28・゜*ヽ(´ー`)/。・゜*:2004/02/08(日) 02:46
続き読みたかったんだが。

複数掲示板の色んなスレを追いかける回すより
hpのコラムか何かにまとめてくれた方が見やすいなー
とは時々思う。

29鳥山仁:2004/02/09(月) 03:57
28さん>
それじゃ、機会があったらまとめます。
もう、結論はお解りでしょうが、未成年の性意識調査で、
セクシャルアイデンティティの一致率が低い年齢には、
ポルノ、もしくはエロ漫画の閲覧を規制する根拠があるのではないか?
というものです。


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