ウォルフ管、ミュラー管
哺乳類では、発生上、雌性が性の基本型となっている。
つまり、最初は雌の生殖器ができ、性分化がそのまますすめば雌となる。
雄へと分化させる力がはたらけば、精巣がつくられて雄となる。
つまり、雌から雄がつくられるのである。
雄へと分化させる力は、Y染色体、精巣決定遺伝子などが知られている。
精巣ができると、テストステロンという男性ホルモンが分泌され、
ウォルフ管(のちに精管となる)の発達を刺激する。
のちには、脳下垂体から放出される生殖腺刺激ホルモンとともに、精子の発達を刺激する。
雌の胚にある雌性生殖管の前身であるミュラー管は、ホルモン刺激物質なしで
自然に分化するようである。雌の性であることがはっきりときまってから、
子宮と胎盤で生産されるエストラジオール(女性ホルモンの一種)が、
雌の生殖管の発達と機能に主要な役割をはたす。
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男性ホルモン Male Sex Hormone
アンドロゲンともいい、男性の生殖器から分泌されるホルモン。
二次性徴をうながす。男性の二次性徴をうながすのが男性ホルモンである。
おもに精巣(睾丸)でつくられる。精巣から分泌された男性ホルモンは、
血液にまじって全身を循環したのち、尿や便にまじって排泄(はいせつ)される。
精巣でつくられるおもな男性ホルモンは、テストステロンとアンドロステロンである。
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経験論。生得観念を否定する。「経験」によって人はものを学ぶ、とする。
「経験」とは「感覚と内省」だ。反省し内省しないものは「経験」ではない。
「経験」とは「感覚と内省」の「観念連合」だ。感覚を連合させ、思考となる。
人間は「白紙」 tabula rasa で生まれる、とする。教育学の元祖。
人間は「白紙」で生まれる、というとき想定していたのは、子供と、「新大陸の
野蛮人」だ。世界旅行記の影響があり、しばしば引用している。
「国民国家」 nation state の定義はムズカシイ。
革命期フランスが「国民国家」の典型だとされるので、フランスを中心に考えよう。
state は、状態、国民状態、という意味だ。
一般民衆が国家へある種の忠誠心を持っている「状態」を、国民国家と言う。
フランスなら、民百姓までが「私はフランス人だ」という意識を持っている「状態」を
「国民国家」 nation state という。
『社会契約論』は近代民主主義思想の元祖だ。
道徳を実現する秩序のためには、個人と社会、外面と心情、他人と自分が、完全に
一致した状態になるべきだとルソーは考えた。これらが分裂しているから不幸なのだと
ルソーは考えた。
構成員は、自分の全ての権利を共同体に譲渡する契約を行なうべきだと考えた。
それにより、共同体は「共通自我 moi common 」となり、「一般意志 volonte generale 」
を持つ。自分の自我は全て共同体の自我だ。共同体の意志は全て自分の意思だ。
この状態こそが幸せな状態だ。と、ルソーは考えた。
「一般意志」は単一不可分であり、構成員の意志の単純総和である全体意志 volonte de tous
とは違う。渋々と他の人の意見に合わせるなんて人間は一人もいない。
構成員の意志はすべて一般意志と一致する。社会と個人、自分と他者が一致する。
この「一般意志」に主権があれば、政治体制はなんでもよい。できれば民主制がいいが。
イギリスには、典型的絶対王政がなかった。
絶対王政を敷こうとした王が貴族と地主層に打倒されたのがイギリスの「革命」だ。
フランスのような「市民革命」ではない。
貴族(上院)と地主層(下院 house of common 大衆議院)が王権を抑制する。
法律は判例・前例で判断する。この判例集を「慣習法」と呼ぶ。
裁判官は地元の貴族。日本で言うと、地元の顔役が裃つけて揉めごとの決済をする。