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信濃藩家中見聞 其の壱

12太ちゃん★:2017/03/01(水) 15:55:25
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其の十一

城代「ほう、なかなか洒落た造りではないか。新城開城もいよいよだのう」

勃樹(ああ、由佳の局が入れてくれた茶がなつかしいなー、、、、)

城代「おい、皆行の守! 聞いておるか! なにを呆けておる。落慶式典の準備は整っておるのか」

勃樹「はっ、はい、着々と」

城代「しかしなんじゃのう、思ったより小じんまりした出来上がりじゃのう」

勃樹「はい、なにせ城地の拡幅が思うに任せませなんだゆえ、、、」

城代「なに、それはいかなる子細じゃ?」

勃樹「拡幅予定地の一角に、どうしても居座って立ち退こうとしない茶屋がございまして、この店主がなんとも剛の者で、いくら金子を積んでも動きませず、、、そのため、その先の藩地ともつながらず、、、、」

城代「なんと、、、オヌシの無体なやり口にへそを曲げたのであろう。詮なきことよ。して、新藩律の方は首尾よく準備できたか?」

勃樹「それが、律令方もひとたびは納得した風でございましたので、安堵しておりましたところ、この期に及んでやはり出来ぬと、にわかに尻を捲りまして、、、はい」

城代「うつけ! それでは落慶に間に合わぬではないか!」

勃樹「はい、どうも、してやられましてございまする」

城代「う〜む!仕方ない、今回は見送るしかないのう、、、」

勃樹「面目なき次第にて、、、、ところで御当代の座代わりの件は如何ように?」

城代「代替わり? ああ例の件か? 頼綱より一応は相談を受けてはおるがのー、見ての通りワシの首の経過も殊のほか良いゆえ、本年は代替わりなど考えておらぬわ」

勃樹「えぇ〜、それじゃ話が〜」

城代「そもそもソチは、二十歳の隠居問題も解決でき得ぬうえ、隠し妾の処理も済んでおらぬではないか。しかも最近では三七四九とか申す過去の悪行まで世間に露見しておると聞く。」

勃樹「そっ、それは、、、、、、」

城代「たわけが! そんなことより、律令方の首をすげ替えてでも、さっさと新藩律を仕上げぬか!」

勃樹「ははあー」

城代「さて、ともかく開城式典は盛大に盛り上げねばならぬな」

頼綱「殿がご不在の今、ご城代を中心に、藩の求心力を保つ為にも、藩民に新城見学をさせて、藩の威光を見せつけてはいかがかと」

城代「それは良い考えじゃ。他には?」

頼綱「はい、いつもの藩訓全員唱和のお導師ですが、拙者の手の者で、声色使いの“亭夫礼劫太”なる者がおりますゆえ、こやつに殿の声色を真似させれば藩民も不審なく喜び唱和するのではないかと?」

城代「それも良いかもしれぬ。早速手配せよ。万事ぬかりなきよう」

頼綱「承知仕ってござる」

(つづく)


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