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理論社会学・社会学理論・社会理論

10闇の巡査部長:2013/04/19(金) 15:40:10
http://d.hatena.ne.jp/jtsutsui/20100522/1274494331
  
実証研究を行う社会学的研究に「理論研究者」が貢献できるとしたらどういうやり方が考えられるでしょうか? 
三つあると思います。
  
一つ目は「問題関心の明確化」。つまり問題関心をよりクリアに認識できるように概念的道具を提供する、という仕事です。
しかるに、典型的な社会学の「理論」はこのことに成功してきたでしょうか? なんだかあまりそんな気がしません。
社会的な問題関心をクリアにしたいのなら、社会学の古典を読む前に公共哲学と厚生経済学の本を読んでおくのがいいかと思います。
免疫のない状態で社会学の古典を読むと、擬似的な問題について長い間無駄な知的労力を費やすことになりがちです。

二つ目は、「記述概念の提供」。やはり概念の提供ですが、今度は問題関心の明確化ではなく仮説構築に使う際の概念です。
ブルデューの資本論や、最近のソーシャル・キャピタル論がいい例でしょう。
これらは一つ目の「問題関心をクリアにする道具」と違って、様々な問題関心に対処できる汎用的な記述のための概念を提供してくれます。
たとえばソーシャル・キャピタル概念は、公平性の価値関心から階層研究にも使えるし、コミュニティ衰退の価値関心からの研究にも使えます。

三つ目は、理論本来の役割である「仮説の提供」という貢献方法です。しばしば「中範囲の理論」と呼ばれたりしますが、
通常科学で理論というときはそれは「仮説」なのだから、
理論家であるからには立証可能な仮説を提供するという仕事を忘れるべきではないでしょう。


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