うのはなさんを褒め称える板

146：シャンソン：2019/04/11(木) 12:48:00: 　　コラム　中川学　『すべりこみ母親孝行』より

　　　　　　「母のまずい料理」

　母は料理が得意だが、クオリティの低いレパートリーも結構ある。
特に低いのがチャーハンだ。母の作るチャーハンは、べちゃべちゃしていて米がくっ付き合い
団子状になっている。味付けは塩コショウと醤油のみだ。隠し味など一切ない。
私は、チャーハンとはそういうものだと思って育った。

　だから、中華屋で初めて母以外の人が作ったチャーハンを食べた時は、度肝を抜かれた。米がパラパラなのだ。
なんだかニンニクの風味もほのかにする。「チャーハンってこんなに美味いものだったんだ！」。
　私は歓喜した。ただただ生きるために胃に流し込んでいたこれまでのあの料理はなんだったのか。
　私は母にその旨をストレートに言った。

　すると母は、NHK『ためしてガッテン』の「パラパラチャーハンの作り方」の回を見て、その通りに作るようになった。
しかし、２．３回で元のやり方に戻ってしまった。いちいちレシピに従って作るのが面倒だったようだ。先日久しぶりに作ってもらったのだが、
変わらぬクオリティだった。「食してバッテン」といったところだ。

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