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傍流まじめな話版

1677シャンソン:2019/06/09(日) 15:02:57
    すべての背景には黒い白鳥が潜んでいる
    アマゾン社員が必ず読まされる本とは?


 鎌倉時代に日本にやってきた禅と違って、次に紹介するナシーム・ニコラス・タレブは現代の思想家です。
レバノン生まれの文芸評論家であり、金融トレーダーとしても知られる人物。2007年の金融危機を予測したことでも話題になりました。
彼が『ブラック・スワン』(ダイヤモンド社)で提唱した「不確実性科学」の理論は、世界中に衝撃を与えたのですが、この書を幹部職の‟必読書„としているのは
アメリカのアマゾンです。

 本を読む方であれば、よくご存じのネットの通販会社。もはや‟書店„ではありません。日本の流通企業としても大手の仲間入りをしています。
アマゾンを創業したのは、いまや世界一の資産家にもなっているジェフ・ペゾス。彼の半生をつづった『ジェフ・ペゾス 果てなき野望』(ブラッド・ストーン著日経BP社)には
次の記述があります。

「『ブラック・スワン』はアマゾン経営陣の必読書となっているのだが、そのなかでタレブは、講釈の誤りに陥らないためには、物語や記憶より、試行錯誤や現実に即した判断を重視すべきだとしている」
「講釈の誤り」とは難しい言葉ですが、つまり人はたいてい「試行錯誤や現実」でなく、「物語や記憶」で物事を解釈しているから、間違いが起こってしまうわけです。当のジェフ・ベゾスはまさしく、この「講釈の誤り」に
基づいた判断を経営陣がしないよう、『ブラック・スワン』の言葉を重視しているわけです。

 けれども「物語」はともかく、「記憶」で物事はともかく、「記憶」で物事を判断するのはいけないことなのか?
「現実」に基づく判断はともかく、「試行錯誤」に基づく判断で物事を動かしていいのか?いろいろ疑問は感じるかと思います。
 でも、それは正しい。なぜなら「すべての背後には黒い白鳥が潜んでいる」からです。

 いまでは「ブラックスワン」といえば珍しいけど当たり前には存在している鳥。
たとえば水戸・偕楽園の前にある池に行けば、たくさんの黒い白鳥が見られます。ところが1766年にイギリスのジェームズ・クックがオーストラリアに
到達するまで西洋社会は「黒い白鳥」が存在することを知らなかったのです。

 ちなみに日本で「ブラック・スワン」はコクチョウと呼ばれますが、これも最近になってオーストラリアから持ち込まれたもの。「ブラックスワン」はオーストラリアの固有種で
日本人もその存在を知らなかったから、そのまま「白鳥」という名前をつけているのでしょう。
 いずれにしろ、「黒い白鳥」が存在したことで、「白鳥は白い」という常識は崩れてしまった。このとき人間の「白鳥」に対する認識は変わったのです。
ところが、いずれはそれが‟当たり前„として定着する。タレブは「ブラックスワン」の現象を次のように定義します。「第一に、異常であること。つまり、過去に照らせば、そんなことが起こるかもしれないと
はっきり示すものは何もなく、普通に考えられる範囲の外側にあること」

「第二に、とても大きな衝撃があること」
「第三に、異常であるにもかかわらず、私たち人間は、生まれついての性質で、それが起こってから適当な説明をでっち上げて筋道をつけたり、予測が可能だったことにしてしまったりすること」

問題はこの「ブラックスワン」の現象が仕事の世界では繰り返し起こっていること。
そして「ブラックスワン」を起こす人間がいれば、それに巻き込まれる人間がいる。これは「成功する人」と「低迷する人」を、
はっきり分けているともいえるのです。

まさしくそれを証明したのが、アマゾンという会社でしょう。


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