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傍流まじめな話版

1647シャンソン:2019/04/20(土) 02:19:54
  言語は命名カタログではない  フェルディナン・ド・ソシュール

 スイスの大学で一般言語学の授業をしていたフェルディナン・ド・ソシュールは五十五歳で亡くなる
まで、一般に向けた本を書くことはしませんでした。また、言語学者ではありましたが哲学者ではありませんでした。
しかし、静かで地味な学者生活を送っていたソシュールが考え、教室で教えたことは講義ノートや原稿として残り、
のちに『一般言語学講義』として編纂され、その内容は二十世紀以降の哲学に大きな影響を与えています。

 なぜならば、彼の考え方が哲学思考の新しい局面を開くものだったからです。
ソシュールは私たちが使っている言語について研究しました。そして、言語には物事を「分節化」する作用があることを見出したのです。
まずそれがどういうことか分かれば、ソシュールの他の考え方もまた理解しやすくなるでしょう。

 分節化というのは、本来的に分けられていないものを言語で表現しようとすると、どうしても「分け」ざるをえなくなるということです。
言語によるこの分節化は至るところに見られます。たとえば、少年少女と成人を年齢で分けることも分節化です。当然のことながら、人間の成長は誰もが
同じではありません。環境や栄養状態によってまったく異なります。

 しかし、その現実をまったく無視して一定の年齢を境にして画然分けてしまっています。それが「分節する」ということです。
今の例では、何が人間の子供と大人を分節する作用を持っているのです。そういう言葉で構成される文章もまた、物事を分節しています。

   『世界の哲学者に学ぶ人生の教室』 白取春彦 著


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