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「うのはな」さん 専用掲示板

991シャンソン:2016/10/07(金) 12:59:50
    東大の救急医療は濃い影となっていた

「光が強ければ強いほど、その影も濃くなる」
「何でもない小さな変化でも、それが続くと大きな変化になる」
この二つは勤め人としての私自身が学んだことでした。今だから言える話ですが、東大病院に着任した」とき
「このにだけは身内を入院させたくない」という声を聞きました。

 さすがに驚きました。東大医学部ならびにその附属病院は日本の医療界に多大な影響を与えるとっぷくらすの医療機関ですが、そこに勤務するスタッフの多くが、
本音では自らの勤務先に身内を言れたくないというのは、さすがに問題だと感じました。今でこそ笑い話にできますが、当時はまったく笑えません。とくに救急医療面での
支援体制はまったくできていませんでした。

 東大という強い光の下、救急医療という部門は濃い影となっていたのです。
そこからは時間との勝負でした。色々な方に話をしたり、日々の中で生じた各科の困難事例がICU(集中治療室)から無事退出したりするうちに、現在のように各部門の医療スタッフが共同で診療できる態勢、それをバックアップする仕組みが、
本当に少しずつでき始め、院内が少しずつ変化しました。

 さまざまな部門のスタッフから、それまで救急部には入らなかったような情報が入るようになりました。
「こういう方法がありますけど、どうしますか?」というありがたい提案も受けました。
たった一滴が潮流になる。それを実現した瞬間でした。東大病院に根づいた仕組みによって、将来的には少ない医師であっても
十分な医療が提供できると、私は確信しています。

 多くの人は変化に期待します。変化がもたらしてくれる「恩恵」に、何か良いものが存在するんではとワクワクするからです。
大勢が変化と聞くと、何か良いものを想像します。同時に人は変化を怖がります。その変化に、自分の日常を壊してしまうような「気配」を感じるからです。
世の中の大きな変化は自分の力で変えるのが難しいレベルですが、身近で起きる変化(例えば家族、友人同士、職場の結束とか)は、自分が関与できるレベルです。その変化の「質」や「方向性」に直接、関与できます。
その関与にこそ、自分の約束が隠されています。

   『人生は、約束』 矢作直樹 著


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