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「うのはな」さん 専用掲示板

985シャンソン:2016/10/04(火) 18:29:31
      ネガティブリスト的な思想に変わった

花田 「駆けつけ警護」のほかに、「後方支援」もわかりにくいところです。

佐藤 後方支援については、非常に荒っぽい議論が展開されました。後方支援をしたら、「危ない」
「狙われる」と言われますが、実際に自衛隊が後方支援を行うのは、「後方支援活動を実施する区域(実施区域)」のみです。
戦闘が行われていない場所の一部を「実施区域」とし、その中でしか活動しません。これは、いままでも、これからも変わりません。

 これまでは「戦闘地域」「非戦闘地域」という概念を使っていました。非戦闘地域は、最初から最後まで戦闘が起きない地域を指し、その中から
自衛隊の活動地域を選んで「実施区域」つぃていたのです。これはあくまで憲法上の整理であり、いわば文言上、武力行使の一体化によって憲法九条違反となるのを
防ぐために官僚が考え出した概念。現実とは違います。

 どこまでが非戦闘地域で、どこからが戦闘地域なのか。現場ではこの線引きは非常に困難です。また、自衛隊の活動中、「最初から最後まで絶対に戦闘が起きない」などと、
いったい誰が決められるのか。およそ現実的ではありませんし、むしろ、そのしわ寄せを現場がこうむることになります。

花田 机上の空論ですよね。

佐藤 私が派遣されたサマワでも、非戦闘地域と言いながら、そこにロケット弾が飛んできたり、街中ではオランダ兵が手榴弾で殺害されたりしました。自衛隊の活動地域近くで自動車爆破テロが起きるなど、
周囲には危険が及んでいました。マスメディアの方々は、「サマワは戦闘が起きて人が死んでいるのではないか」「戦闘地域ではないのか」「境目はどこですか」などと訊いてきました。
でも、戦闘地域と非戦闘地域の境目など、あるわけがない。当時の小泉純一郎総理は「自衛隊の活動している地域は非戦闘地域です」という「迷答弁」をしましたが、これでは現場はどうしようもありません。

花田 現実との乖離があるからどうしようもなくて、「自衛隊の活動している地域は非戦闘地域」と答弁したのでしょうけれども、それでは自衛官が危険ですね。

佐藤 そこで今回は、現場の判断で柔軟性をもって対処できるように整理した。
「現に戦争が起きているところではやらない。それ以外の地域から安全性や活動の円滑さを考慮して自衛隊の実施区域を選ぶ」としたのです。これまで「非戦闘地域でのみ活動できる」とポジティブリスト的に考えられていたのが、
「戦闘地域では活動できない」とネガティブリスト的な思想に初めて変わった。しかし、これでも国際的な軍の常識にほんの少し近づいたにすぎません。言うまでもないことですが、「非戦闘地域」という文言を「現在、戦闘が行われていない地域」と
変えたからといって、戦闘地域の真後ろや真横で自衛隊が活動するわけではありません。


  『「民意」の嘘 』 櫻井よしこ×花田紀凱 著


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