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3872：シャンソン：2018/06/29(金) 16:06:59: 　自分の通院がてら、入院している友人の部屋へお見舞いに行った。
　抗ガン剤もあと一回打てばそれで済むのだという。
　髪の毛がなくなっているところ、かつらをつけようとしているところへ
　看護師さんがカーテンを開けたのが一番恥ずかしかったという。

　「私は息子が２０歳になるまで生きたらいいんだ」というので
　「そんなことをいうもんじゃない」と話した。
　　彼女の息子にお土産を渡すと、「わあ。ぼくこのパン大好きなんだ。いつも
　学校の帰りに買っている。ありがとう、ありがとう」と何回も言う。

　居心地が悪くなったので病院を出ることにした。
　出口に向かうと、待合室の隅で点滴台につながった赤ちゃんを抱っこして立っている
　若いお父さんの姿が見えた。息子は小児ガンなんです、というのじゃないだろうな！

　友人は妊娠中病気になり、彼女のお母さんに頼まれて、私は宇治へ神癒祈願へ行った。
　そのとき無事に生まれた赤ちゃんが、今、私の目の前でコンビニの百円のコッペパンと
　メロンソーダを見て、目を輝かしていたのだ。

　出口を出て、入院中夜間に歩いていた道を歩く。なぜか涙があふれてくる。
　この歩道を歩きながらよく小さく泣いた。なぜなのかわからないわからない。
　おそらく眼科医が言っていたように、加齢のため、目の粘膜がもろくなっているのだろう。
　データはないが、そういう結論にしておくほうが、ありきたりの通院記録にふさわしい気がする。

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