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「うのはな」さん 専用掲示板

2433シャンソン:2018/01/03(水) 21:51:57
    (紛争はすべて話し合いで解決できるはずだ) 『平和の夢に支配された日本人の悲劇』ケント・ギルバート著

 これはね、新聞の投書欄にこういう投稿がよく載るんですよ。まず話し合え(外交努力をせよ)って。
社説でもよく言っている。
 ロシアと中国も、2017年7月5日の国連安全保障理事会で、アメリカが要請する対北朝鮮の経済制裁に反対して、
「話し合いで解決すべき」と言っています。これは朝日新聞の投稿欄が理想論として言っているのとは明らかに違い、アメリカを牽制する目的です。
話し合いで北の核問題が解決するとは、両国だって小指の爪の先ほども思っていない。その真意は、アメリカに「お前たちが譲歩しろ!」と迫っているわけです。

 利害が激突する国際社会の中で、日本が交渉したい、話し合いたいといくら言ったって、北朝鮮が応じるでしょうか。尖閣と日中の中間線について、話し合いで決着つけましょうと、
中国に提案したらどうなるでしょうか。実際に話し合いが行われたとして、日本は主張を通せますか?中国は話を聞きますか?

 中国は、尖閣は昔から中国の領土という従来の主張から、一歩も引かないでしょう。
フィリピンは、アキノ大統領時代、南シナ海のスカロボー礁周辺の海域を実効支配する中国に対して、国連海洋法条約に基づき、仲裁裁判の申し立てをしました。
2016年7月、全面勝訴しましたが、中国はこの裁定を「紙くず」と言い放ち、一切認めませんでした。習金平国主席は、フィリピンのドゥテルテ大統領と会談した際、
「フィリピンが南シナ海で領有権を主張して、天然資源採掘を実施すれば、戦争になる」と脅しました。

 もしも、話し合いで全部解決できると本当に信じるのであれば、話し合いができる能力を身につけないといけない。
それが日本にあるかといえば、ないです。慰安婦問題も南京虐殺も、事実関係の考証もしないで、とりあえず謝ってしまうのが、戦後の日本外交の伝統でしょ?
社交辞令ならぬ謝交辞令から外交を始める日本が、中国に対して何が言えるの?「遺憾です。強く抗議します」、以上。

 理想論を言う人に、言いたい。本当に全て話し合いで解決できると考えているのなら、まずは私を説得して、意見を変えさせてみろって話ですよ。
物事全て話し合いで解決できるのであれば、国と全ての自治体は、都市計画道路用地の土地買収を、とっくの昔に全部終えていますよ。
バブル期に猛威をふるった地上げは、金と脅しが武器として使われました。話し合いなどありませんでした。

 一方の手を握手に差し出し、もう一方の手に棍棒を握って、というのがアメリカに限らず外交の原則です。
つまり、相手に供与する利益を提示し、言うことをきかなければ軍事力の行使。それで世界中の大国が国益を拡大してきた。
古くはスペイン、ポルトガルの大航海時代に始まって、フランス、イギリス、ロシア、アメリカ、中国など、どこでもそうです。
日本だってアメリカの蒸気船(黒船)に脅されたからこそ、二百年以上も続けた鎖国をやめて開国したではありませんか。

 話し合いだけで解決できるのは、双方ともいい人であって、互いに性善説で臨む場合だけです。日本人同士の話し合いだったら、これが当てはまる場面もあるでしょう。
あの人も本当はいい人だから、きっと分かってくれるよと。ところが日本は外交の舞台でも、性善説を前提にして、何事も正直に交渉するから、結局は負けてしまうんです。
外交では、交渉過程での嘘は恥ではないし、騙された方が負け。全く身も蓋もない真剣勝負の現場が外交です。

 それでは、日本も嘘をつけばいいかというと、そうではありません。
正直で、相手の気持ちを思いやる国民性を変えることはできませんから。
相手が嘘八百を並べる国だっていうことを十分に理解した上で話し合わなければ、絶対に負けてしまうということです。

 話し合いで済むなら、それに越したことはないけど、例えば日本の国会。
昨年の平和安全法制(安保法)のときも、今年のテロ等準備罪(共謀罪)のときも、民主党、共産党等の野党が、強行採決だ、と大騒ぎしました。
「国会は死んだ」なんて言ってね。

つづく


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