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1966：シャンソン：2017/07/28(金) 09:38:06: 　　　　一五年目に咲いたサボテンの花

　一通のお手紙をいただきました。差出人はある中年の女性です。
封書の中には一葉の写真が入っていました。直径が約一〇センチ、高さは二〇センチくらいの円筒形の
サボテンを、真上から撮影したものです。サボテンを包み隠すように、直径二〇センチくらいの、クリーム色の
大輪の花が咲いていました。サボテンの花は紫色が一般的なので、とても珍しい。

　私もクリーム色の花は初めて見ました。手紙にはこうありました。

「買ってきてから十五年間、一度も花を咲かせたことがなかったサボテンに奇跡が起こりました。二年ほど前に、
正観さんの講演を聞いてからサボテンに『愛してる・大好き・ありがとう』と声をかけ続けてきました。
半年が経った頃でしょうか。サボテンのトゲがみんな落ちてしまって、すっかり産毛になってしまいました。

　それでもへこたれず、また半年間『愛してる・大好き・ありがとう』と声をかけ続けたのです。そうすると産毛のように触っても痛くないトゲが残り、
その他はトゲそのものが消えてしまいました。サボテンは完璧に本来の防御機能を失ったのです。さらに四ヵ月間『愛してる・大好き・ありがとう』と声をかけ続けたところ、
クリーム色の花を咲かせました。十五年間、一回も目にしたことがなかったので、うちのサボテンは花が咲かないものと思っていました。この感動を伝えたくて、今回ペンを執った次第です」

　本当は咲かす機能があるのに、さぼってたんです。サボテンからしてみれば、さしずめ「十五年間も声をかけることをサボッテンじゃないよ」といったところでしょうか。
何度も繰り返しますが、植物を枯らすのは簡単です。無視をすること、声をかけないこと。生命力が萎んでしまうのでしょう。声をかけると、切り花でも結構長生きします。ここ数年、我が家にはクリスマスの時期にシクラメンが届きます。
声をかけ続けていたら、最長で翌年のゴールデンウィークまで生き延びたことがあります。

　植物に対して声をかける、応援すると、植物も人間の役に立ちたいといった気持ちが芽生えてきます。
そうなると、花を咲かす、きれいなものを見せてくれるだけではなくて、天候までも有利にコントロールするくらい、人間の味方になってくれます。
植物を味方につけると、どうも人間の人生を喜ばせるような環境にしてくれるらしい。それがわかったら、早速今日から、声をかけ始めてみることです。

　　　　　『ごえんの法則』　小林正観　著

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