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「うのはな」さん 専用掲示板

1718シャンソン:2017/04/19(水) 10:42:48
    何不自由ない自分と、世界とのギャップ

 中学に入った頃の僕は、「難民」という言葉すら知らなかったと思う。
しかし世の中のことを知るにつれて、「たまたま自分は日本に生まれて、このような素晴らしい環境で
生活することができている。でも世界には、まったく違う環境で暮らしている人たちのほうが圧倒的に多い」

ということを理解し始める。弁論大会の下調べをするうちに、自分があまりにも平和で恵まれた環境にいることに、
漠然とやるせないような気持ちを抱くようになっていった。
「これだけ世の中が発展しているのに、なぜいまも苦しんでいる人たちが世界に何十億人もいるのだろうか。人類がみんな楽しく、
健康に、美味いものを食べていけるようにしなくてはならないんじゃないか」

 高校に上がり、テレビのニュースや新聞などを通して、アフリカやアジアの発展途上国の人たちの貧しい暮らしと自分の生活のギャップを
明確に認識するようになった僕は、将来についても意識し始める。
 将来は国際連合で働いて、世界から飢餓や貧困をなくしたい。

 駒場東邦での6年間が終わる頃には、それが自分の目標になった。
だが当時の自分は、やはり子どもだったのだろう。「国連に入って働けば、きっと世界の
飢餓や貧困も解決できてみんなが幸せになるはずだ」と単純に考えていた。

 『僕はミドリムシで世界を救うことに決めた』 出雲 充 著


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