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「うのはな」さん 専用掲示板

1471トンチンカン信徒:2017/03/04(土) 12:41:43
>>1469
類似品
一杯のかけそば(栗良平、1988年、栗っ子の会)

この物語は、今から15年ほど前の12月31日、札幌の街にあるそば屋
「北海亭」での出来事から始まる。

そば屋にとって一番のかき入れ時は大晦日である。
北海亭もこの日ばかりは朝からてんてこ舞の忙しさだった。いつもは夜の
12時過ぎまで賑やかな表通りだが、夕方になるにつれ家路につく人々の足
も速くなる。10時を回ると北海亭の客足もぱったりと止まる。
頃合いを見計らって、人はいいのだが無愛想な主人に代わって、常連客か
ら女将さんと呼ばれているその妻は、忙しかった1日をねぎらう、大入り袋
と土産のそばを持たせて、パートタイムの従業員を帰した。
最後の客が店を出たところで、そろそろ表の暖簾を下げようかと話をして
いた時、入口の戸がガラガラガラと力無く開いて、2人の子どもを連れた女
性が入ってきた。6歳と10歳くらいの男の子は真新しい揃いのトレーニン
グウェア姿で、女性は季節はずれのチェックの半コートを着ていた。
「いらっしゃいませ!」
と迎える女将に、その女性はおずおずと言った。
〜つづき〜


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