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「うのはな」さん 専用掲示板

1168シャンソン:2016/12/04(日) 14:54:01
      民主主義を支える文字

 自由な投票、平等な選挙権、民意を正しく反映する選挙制度、もちろんこうしたは
日本国憲法のいう「正当な選挙」の条件ですが、もっとも根本的な条件はじつは国民が文字が読めるかどうか、
国民の識字率です。

 日本語にはもともと文字がありませんでした。いいかえれば話し言葉だけがあり、それを書き表すm自我なかったということです。
古代に中国から漢字が伝わりましたが、象形文字である漢字を理解し、使いこなせたのはごく一部のエリートだけでした。平安時代になると、漢字からひらがなと
カタカナが誕生します。どちらも表音文字です。表音文字は発音記号ですから、難しい感じとちがって簡単な規則さえ覚えれば誰でも読み書きができます。

 この二つの仮名文字の誕生によって日本語の話し言葉に沿った柔軟な表記ができるようになりました。
それとともに漢字を使えない人々も読み書きができる土壌がこのときできあがりました。もっともじっさい多くの人々に読み書きが広まったのは江戸時代に入ってからです。
江戸時代末期には日本は世界でも識字率の高い国になりました。

 明治時代に日本を訪れた外国人が道端の物乞いが新聞を読んでいるのを見て驚いたという話が残っています。
このように日本は江戸時代から識字率が高かったので、文字の読み書きが「正当な選挙」の第一条件であることに誰も気づきませんが、識字率の低い国の選挙をみれば、これがよくわかります。
そのような国では多くの有権者が候補者の名前さえ読めません。選挙になると投票所の前で小銭を渡されて投票用紙の右から何番目に〇をつけるように頼まれる。有権者が文字を読めないために「正当な選挙」が
損なわれ、民主主義が歪められている極端な例です。

    『文学部で読む日本国憲法』 長谷川櫂 著


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