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「うのはな」さん 専用掲示板

1156シャンソン:2016/11/29(火) 22:00:27

 ビル・ゲイツはかつて、フリーソフトウェアを擁護する人々のことを、資本家が口にできる限りの
罵詈雑言でののしった。彼の主張によれば、ソフトウェアが無料でなくてはならないという人々は、「現代の新しい共産主義のようなもの」で、
アメリカンドリームを支える「市場を独占したい」という気持ちを挫こうと躍起になる邪悪な力だという。

 ゲイツの主張はいくつかの点で間違っている_例えば、無料のオープンソース・ソフトウェアに」熱心な人々は、共産主義のアカ野郎ではなくて
政治的には自由主義者(リバタリアン)だ。だが彼の主張にも正しい点はある。誰もが誰もに常時つながろうとするグローバルな熱狂は、テクノロジー版社会主義を
改めて静かに生み出しているのだ。

 デジタルカルチャーにはコミューン的な性質が広く深く浸透している。ウィキペディアに限らず、ウィキ的なもの全部に言えることだ。ウィキは協働して作られる一種の文書で、
テキストは誰もが簡単に作り、書き加え、編集し、変更できる。個々のウィキのエンジンは、いろいろなウラットフォームやOS上で多種多様な形式を取って存在している。1994年に初めての
協働型ウェブページを開発したウォード・カニンガムによれば、現在では150のウィキのエンジンがあり、それぞれが無数のサイトに応用されていると言う。シェアに適した著作権ライセンスであるクリエイティブ・コモンズが
広く採用されることで、画家や文書、音楽などを、他の人が追加の許諾なしで合法的には改良できるようになった。

 言い換えれば、コンテンツをシェアしたりサンプリングしたりすることが、新しいデフォルトになったのだ。
2015年のクリエイティブ・コモンズによる許諾は10億を超えている。コピーできるものなら何でも見つかるトーア〔ToR〕のようなファイル共用サイトが立ち上がり、コラボレーションはますます盛んになった_すでに創造されたものを基に創作するのは
ずっと簡単だからだ。ディグ〔Digg〕、スタンブルアポン〔StumbleUpon〕、レディット〔Reddit〕、ピンタレストやタンブラー〔Tumbir〕といった皆で協働してコメントを付けていくサイトでは、何億もの一般の人々が、プロや友人を通して見つけた写真、画像、ニュース記事、アイデアなどに、
集団でランク付けし、評価し、シェアし、転送し、注釈を付け、キュレーションすることでストリームやコレクションに仕立てていく。

 こうしたサイトは協働型フィルターの役割を果たし、その時点での最高なものが何かをいつでも教えてくれる。毎日、また別のスタートアップが共同作業をうまく取り込む新しいやり方を見つけている。こうした進展の先に、ネットワーク化した世界特有のデジタル版社会主義のようなものができつつあるのだ。

   『〈インターネット〉の次に来るもの』 ケヴィン・ケリー著


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