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読書紹介板

947アクエリアン:2018/08/04(土) 20:55:54
現在の最もまっとうな国体論だ
2017年11月9日
形式: 単行本(ソフトカバー)

400ページ近い大部の本であるが、実に面白く、またわかりやすい記述のため、一気に読めた。だが、テーマは骨太であり、現在の日本人がぜひとも読むべき本だと思
本書のベースになっているのは「天皇主義者」と「反天皇主義者」という対立した構図であり、著者は戦前昭和の軍部、若い頃の著者を含めた戦後の右翼、そして現在の安倍政権とその取り巻きの保守を自称している論客たちを、すべて「反天皇主義者」と断じている。一方で、戦後の進歩的知識人や進歩的マスコミを含む左翼の偽善を鋭く批判してもいる。実にユニークな視点だ。もちろん、著者は自分を天皇主義者と規定している。
著者によれば、天皇が象徴し体現しているのは、古来より続く日本人のアプリオリな価値観、すなわち神々への畏敬と祖霊信仰だということになる。日本の神々(八百万の神々)とは自然そのものであり、だからこその反原発であり環境保全なのだという。そして、本来の日本人の属性は、謙虚、質実、寛容といった言葉で表されるのではないかともいっている。要するに、天皇主義とはそのようなものであり、また今上天皇の言葉を借りて、天皇(天皇制)の本質とは明治以降のたかだか150年ではなく、2000年の皇統を考えることによって理解されなければならないと述べている。
混迷を深める内外の情勢の中で、日本がこれから指向する国体として天皇を媒介とした日本オリジナルの民主主義、すなわち「天皇リベラリズム」とでもいうべき在り方を提起している。私見ではあるが、現在最もまっとうな国体論であると思う。


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