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読書紹介板

8トキ:2014/01/16(木) 21:50:17
 左翼系の出版物とも言って良いですが、「沈黙のファイル」という本を読みました。
瀬島龍三さんの事がメインですが、面白かったのは開戦に至る大本営陸軍部内での
議論のあり方です。

 大本営陸軍部第一作戦課は当時の陸軍の中枢部でしたが、作戦部長の田中新一中将
も課長の服部卓四郎大佐も戦争をしたい、という考えでした。とくに戦力班長(兵站) だった
辻 政信中佐は最も熱心に戦争を主張していました。

 その中で、南方作戦の担当だった井本熊男中佐は日米戦に不安を覚え、石原莞爾中将
に相談にいきます。「支那事変をそのままにして開戦をしたら、日本は滅びるよ」という
のが石原の返答でした。

 井本はその返答に納得し、上司に猛然と日米戦反対を主張します。特に辻中佐とは
何時間も激論をします。上司からは意見の撤回を迫られますが、頑固に意見を通します。

 面白かったのは、他の参謀の証言で、「実は日米戦は危ないとは思っていた。しかし
そんな事を言ったらクビになる可能性がある。子供がいるのに、そんな事はできなかった」
という証言をしている人もいます。

 余談ですが、陸軍省軍務局長だった武藤章中将は戦争反対で、田中新一中将とは
何時間も激論をしています。が、戦後、武藤章はA級戦犯で処刑されています。反対に
辻や服部は占領軍と取引をして、戦犯を免れています。

 結果として井本中佐の主張は受け入れられませんでしたが、そういう人がいた、とい
うのは、何か慰めにはなると思います。


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