米国の著名な精神医学者、ロバート・ジェイ・リフトンへのインタビューです。リフトンは、広島の被爆者に対するインタビュー調査とその精神的側面に光をあてた『ヒロシマを生き抜く─精神史的考察』の著者として知られています。長年にわたり、戦争をはじめとする極限的な状況における人間の心理について批判的分析を行ってきた研究者です。近著、Witness To Extreme Century : A Memoir (『極限の世紀の証言者 〜回想録』) では、これまでの自身の活動を、研究者としての学問的行為であると同時に、「証言者」としての行為であったと振り返っています。「証言者」とは、体験を受け入れ、自身の言葉で語り直す人のことだとリフトンは言います。原爆投下とホロコースト、20世紀に人類は最も過酷な歴史を体験しました。そうした歴史に「証言者」として向き合うことが、過酷な体験から意味を見出し、それを乗り越えるために必要であるとリフトンは考えています。今回のインタビューで、リフトンは自身が関心を寄せてきた様々な話題(気候変動、拷問、反戦活動、死刑制度、ジェノサイドなど)について語っています。