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読書紹介板

538アクエリアン:2018/04/12(木) 19:34:20
釈迦の仏教学からプルシャの仏教学へ

---津田眞一氏と山折哲雄(国際日本文化研究センター)教授との対談より---

第一部 釈迦の仏教とそのインド的深層(1)

<開放系>---仏教学の新しい視位 ---

山折 津田さん、最近ロンドン大学に行ってらしたそうですけど・・・・・・。

津田 東洋アフリカ研究所(SOAS)の宗教学科に仏教学の寄付講座がありまして、亡くなられた沼田恵範氏が寄付され た・・・・・、そこによばれまして(1995年の1月から3月にかけて)一学期分、10週間ほど行っておりました。

山折 SOASは、かつて大英帝国はなやかりしころの植民地主義的東洋研究のメッカだったところですね。夏目漱石も最初 はあそこに入学した。いまでも日本研究の学者が多いですね。私も、4,5年前に行きました。それで津田だんはどんなこと をしてこられたのですか。

津田 講義とセミナーを週に一回ずつやりました。講義は[Early Buddhist Thought and its Tantric Evolution](ゴータマ・ブッ ダの思想とその密教的展開)というタイトルで、私がこの数年来考えている<開放系>(これは依然として仮称なのですが) という考え方から密教思想史について話をしました。密教思想史とはいいましても、ゴータマ・ブッダ(釈尊)に始まって、大 乗、純粋密教を経てタントラ仏教にいたり、さらに日本の空海から覚ばんを経て法然、親鸞にいたろうという、一種の通仏教 的な思想の流れを追おうというものです。
 セミナーのほうは『華厳経』を取り上げました。「入法界品」、ガンダヴューハ・スートラですね、そのサンスクリット原典を購 読するのですが、サンスクリットを英語に訳すだけならわりに簡単なんですね。しかし、内容を理解させようとするとどうしても 中国・日本の華厳教学に触れなくてはなりませんので、そういう伝統的な術語表現を英語でどう表現したらいいのか、だい ぶ苦労しました。たとえば、お大師さん(弘法大師空海)の「普賢法界の重重帝網なる即身と名づく」とか、そういう理解です ね。そのスカッとしたところを英語的にどう表現するのか。くどくど説明することならどうにか可能なのですが・・・・・・。

山折 ほんとうにね(笑)。それで学生の反応はどうでした?

津田 さあ・・・・・・(笑)。学生さんたちは頭はひじょうにいいのですが、なにしろ仏教学的な知識背景をまったく欠いていま すので・・・・・・。それになによりも私の英語がだいぶ怪しいですから。しかし、なかに二人ほど、ポスト・ドクトラルのしっかり した学者がいまして、毎週わざわざオックスフォードから通って来て、熱心に聴いてくださいました。それからリュエッグ先生 (ロンドン大学教授、前ハンブルグ大学教授)もしばしばお顔を出してくださいまして、感激しました。


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